2009年6月29日月曜日

ドラムサンダーの便利

目玉のパーツを作るのに、丁度いい厚みの端材を使って、作りました。長さが7センチ程の板に、黒檀の目玉パーツを埋め込んで、ドラムサンダーで面一に研削してやります。こんな小さな材でも、送り板を使って、手押しで研削してやれば、機械的に素早く作業できるのが、私の強みです。

プロクソン社に、卓上型の自動カンナもありますが、それ以外では、このサイズの材の機械的加工は、難しく危険かと、思います。私の使っているパフォーマックス社製のドラムサンダーも、オリジナルのままでは、このサイズの加工は、材が跳ね飛ばされる恐れがあって、危険です。

定盤を固定の飛行甲板式にして、材を送り板に載せて固定して、送ってやる事で、安全に小さな部材の加工が出来ます。なので、一度厚み決めした板の小さな端材など、他に利用し難い物でも、再加工、再利用が可能です。ケチですが、今風に云うと、エコです。加工された部材。220番手の2回通しで、埋め込んだ黒檀の余分を削って、面一にしました。セッティングから加工終了まで、30秒くらいです。サンダーの研磨痕は、320番手のソフトドラム研磨などで消してやります。

ひろ〜い作業場に、ドラムサンダーが10台くらい、番手やサイズなど、各種取り揃えて囲まれた中で、作業できれば、本当に楽だろうなぁ〜って、思います。ペーパーも、一度ロールでセッティングすれば、目詰まりを検知して、自動取り替え式だったりすると、なほよろし。

ただし、普通に材の厚み決めするなら、自動カンナ盤のほうが遥かに便利なんでしょうが、そうなると手押しカンナも必要で、もうどちらも置く場所がありません。ひろ〜い作業場で、ドラムサンダーと手押しと自動に囲まれた作業を、してみたいです。

2009年6月19日金曜日

手押しルーターテーブル?

絵にかまけいて、木工の話題がありませんので、自作工具の紹介をします。これはポーターケーブル社製のルーターを装着した、ルーターテーブルです。テーブルはMDFで作ってます。家具なども、作ったりしてましたので、ルーターテーブルは念願の機械でしたが、実際に完成した頃には、もう家具を作る予定も無くなって、出番を逸してしまいました。私の玩具工作では、12㍉軸のルータービットは巨大すぎます。なので、フェンスを変更して、垂直出しの用に特化した手押しカンナ風の機械に、作り替えました。心臓部のルーター。ポーターケーブル社の、古いタイプ。建築用金物で固定してます。作り替えた、フェンスの主要部。ビットは12㍉のスパイラルビット。定盤から45㍉までの高さまで加工出来ます。上の板は、指の事故を防ぐ保護板。加工材の厚みギリギリまで降ろして、ビットと指との接触事故を防ぎます。ビットの手前、←が書かれてある側のMDFの側面を、0.数㍉削ってあります。それが為、ここを基準に送られる材は、0.数㍉分削られていきます。つまり、手押しカンナ盤が横倒しになった状態ですね。

始めは、普通の幅広フェンスを作ったものの、中々定盤との垂直が出せずに悩んでたのですが、もう一つ、以前から自作して使ってました、トリマーテーブルでもこれと同じ事をして、上手く加工出来てましたので、そのまま原理を応用しました。

この仕組みだと、テーブルとビット軸の垂直さえ確保出来れば、フェンス側の平面や垂直精度はほとんど関係ありません。送り側と受け側の切り口が、平行でさえあれば、構いません。

肝心の垂直調整は、写真手前の、「シマル」と書かれた穴に埋め込んだ六角ネジで調整します。反対側にも、もう一つ付いてます。このネジはルーターの定盤を押し上げ、押し下げして、軸を前後に変化させます。前後の垂直さえ確保出来れば、仮に左右が傾いていても、作業には問題ありません。

家具用材の加工には、難があるかもしれませんが、小さな部材の加工には、大変重宝します。特に、手押しカンナ盤では大変危険な、30㎝以下の長さの材も、ストレス無く、安全に行えます。写真のこのフェンスの長さは45センチで、片側21センチ程度なので、あまり長い材は扱えませんが、60センチ程度の材でも加工してます。

削り屑は、手前の保護板と仕切りに阻まれて、ビット穴から、ほとんど吸い込まれます。加工時の騒音も、ルーターがボックスに囲まれてますので、左程大きくなく、卓上手押しカンナ盤に比べれば、相当静か、と云ってもいいくらいです。使用するビットはたぶん、スパイラルでないと、上手くいかない様な気がしますが、詳しくはわかりません。

良い事づくしな記事ですが、あくまでも、小物主体の加工用では、あります。私は材をバンドソウで挽き割る時に、垂直が必要なので、その為に使ってますが、ちょっとした加工でも、重宝してます。こういう機械を作れるのも、ネットでスパイラルビットなど、簡単に購入出来る仕組みがあってこそ、ですね。

2009年6月7日日曜日

タイヤの製作

タイヤの製作。バンドソウで切り抜き、ベルトサンダーで成形した部材を、ボール盤で回転研磨して仕上げます。回転数は3600回転。
研磨材の番手は、写真の180番から始めて、
220、320、400、600、800、1000番の順です。このうち、赤い色の数字の番手は、不織布の研磨布を使ってます。

以前は、研磨傷の残る割合が多く、やり直しも多かったのですが、沢山作ったお陰でしょうか、最近はどれも奇麗に仕上がってくれます。ポイントは、
1,軸穴を正確に開ける事。軸穴が中心に無いと、回転がブレて、磨き残しが出る。
2,面倒でも、細かく番手を変えながら、研磨する事。
3,最初の180番手で研磨傷を付け過ぎないよう、ソフトに当てる事。
などです。

デバイダーや、コンパスで描いた円なら、正確な中心がマーキングされます。
円定規などで描いた円をカットして、中心を出す定規で中心探す方法も、ありますね。
一番簡単にタイヤを作るなら、丸棒をカットする方法があります。
比較的大きな円なら、バンドソウで、治具を使って切り出す方法もある。

玩具作るなら先ずは、自分の求める円の製作を、クリアーしなければならない。

円カッターは、10㍉前後の小さな径は良く使いますが、大きな物は、私は使いません。
削り出す円より、削られる部位のほうが、大きい感のある円カッター。
使い易い材や厚みなど、意外と条件を選ぶように感じます。
黒檀で作った、ホイールのはめ込み。少しきつめのサイズで削り出してあります。
瞬間接着剤で接着。上に合板当てて小槌で叩き込みます。黒檀の縞模様と、タイヤの木目を合わせて嵌め込むと、奇麗ですね。
ミネラルオイルで塗装します。筆にたっぷり付けて、塗り込みます。右半分が塗った状態。塗った後は、ウェスで乾拭き。濡れ色に艶がでますが、艶はすぐ引いて行きます。1年もすると塗ってない様な様子になりますが、水をつけると、ちゃんと弾きます。

ミネラルオイル塗った製品を、紙の上に置いたりすると、紙にオイルのシミが出来ます。これは、量にも依るでしょうが、ひと月くらいは要注意です。基本的に乾燥しないオイルです。それが、欠点と言えば、欠点です。

2009年6月6日土曜日

早いは正しい?

ドラムサンダーの実験はひとまず置いて、今日は作品制作。ボール盤でストロークを加えながら研削します。実際の製作では、材とドラムの双方を頻繁に動かす事で、ひどい焦げ付きは防げます。こういった問題は、重く大きな工場機械を使えば、すぐに解決する事かもしれませんが、それが無い限りでは、いろいろ試してみるしかありません。どちらにしても、25㍉前後の小さな径のドラムでの作業は、効率良くとは行かないのではないか、という気がしてきた。
パーツの中仕上げ研磨。右が120番手の縦ベルトサンダー仕上げ、左が写真に写ってる、横ベルトサンダー320番手仕上げ。一気にツルツルに仕上がります。ただし、320番手では研磨量が少ないので、120番手の研磨痕を消すのに、時間の掛かる部位も出てくる。時間が掛かると、面もだれてくる。セオリー通り、120番手の次は240番手のほうが良い様な、気がしてきましたので、次回は変えてみたい。

早さ=善って事ではありませんけど、早い作業の可能な工具は、仕上がりの奇麗さと比例する感じがします。例えばカンナなら、カンナ台とカンナ刃が、正しく研磨、調整されていれば、
早い加工と奇麗な仕上がりが(概ね)保証されますが、カンナが良くなければ、平面が中々出せず、結果製品も宜しく無い様な、そんな感じで、研削、研磨加工に於いても同じ事が云えるのでは、なかろうかなぁと思う。
仮組してみました。次回作はこんな感じ。名前は決まってません。やっぱり「◯◯エビ」って付けたいけど、ザリガニもいいかなぁとか。昼間、仕事しながら考えましょう。

2009年6月5日金曜日

当たり前な結果

スリーブレスサンディングドラム(SSD)の研磨状況。120番手、300Wボール盤3600回転、ストローク無しで、約30秒間、ハードメイプルの木口面に、押し付け研磨(研削)しました。

こういったドラムは、基本的には1800回転以下で使うように、メーカー側の指示が書かれてます。その理由は、この写真を見ていただくと解り易いですね。材は焦げ、基材も破れてしまいます。おまけに、ドラムのクッション材の、溶けた物もありました。実際の作業では、ここまで執拗に焦がしませんが、木口面に焦げが付き易い事には、悩まされてます。

結局のところ、スリーブ式のドラムサンダーが、研削量、研磨面共に良好であったという、大して面白くない結果が出ました。詳しい事は、近々にウェブサイトのほうで、まとめて記事にしますが、スリーブ式以外で、良い結果を期待してた私は、ガッカリでした。

基本的に、3600回転なんて速度が、間違ってるのかもしれぬと、スリーブ式ドラムサンダーの25㍉径120番手で、1700、2400、3600回転と、それぞれ木口面を削り比べてみましたところ、
・1700回転〜研削面は奇麗だけれど、研削量は少なくて不満。
・2400回転〜研削面は奇麗で、研削量も概ね良好。
・3600回転〜研削面には、やや焦げが付くが、研削量は良好。
という結果になりました。
120番手の場合、研削量が勝負の番手ですから、わたしはこの場合、3600回転を評価します。
実験で使った他のドラムの、ここまで焦げの付く理由は、回転速度(研磨速度)もそうですが、ドラムの周長が短い為の、研磨粉と熱の排出が極端に悪いせいだと、思います。ドラム径が大きい方が、焦げが付きにくいのは、焦げの原因が研磨速度に限らない証拠です。

さて、120番手で快適に研削し、320番手でさっさと仕上げる、なんて手順に至るまでは、まだまだ研究の余地があるようです。

2009年6月4日木曜日

スリーブレスサンディングドラム

これは最近、TAMA CRAFTさんで代行輸入していただいた、スリーブレス サンディングドラム(SSD)の、25㍉径に、各種ペーパーを巻き付けた物です。SSDの国産品は一般市場では、ついぞ見かけた事がありません。以前にはオフ・コーポレーションさんの通販で取り扱いがあり、セットで随分お得な価格でしたが今は無く、今後も取り扱いの予定は無いそうです。(以前、電話でお聞きしました。)

細い径は自分で作ったりもしましたが、ペーパーが外れ易く、軸のブレも幾らか有って、やはり既製品には敵いませんでしたので、思い切ってまとめて(19㍉径と25㍉径を)購入しました。巻かれてあるクッション材は、いずれ摩耗するでしょうが、これは自分で張り替えれば済む事です。既製品の最大の利点は、頑丈で、回転精度が宜しいところです。

自分でも自作しておいて、こんな事云うのも何ですが、自作に費やす時間と労力と費用を考えれば、既製品を買った方が早くて効率的です。もっとも、自作するのは楽しいですから、それはそれで良いとは思います。

径が19㍉とか、25㍉とか云ったサイズは、精密模型工作では大きすぎ、造作や家具木工では小さすぎて、ほとんど出番が無いと思われますが、私の工作では、このサイズが生命線です。それで、このサイズで最も研磨効率の良い組み合わせを探してみる事に、しました。4つのSSDに、それぞれ違った研磨材を巻き付けてあります。それと、ほぼ同径のスリーブ式ドラムサンダーを併せて比較します。研磨材の粒度は、皆120番です。

今日の作業はペーパー巻き付けまでで、おしまい。あと、新作の型作りをしました。作品作りと同時進行で、研磨実験を行っていきます。
新作の型。新作といっても、前作「エビセン」の応用編。しっかり転がせるエビセンを、作ります。