2010年4月25日日曜日

ネオテニー・家族

ネオテニー・ジャパン(幼形成熟)というテーマで巡回してる、作家作品コレクションの一部として、奈良美智さんの作品が、愛媛県美術館に来てます。普段、美術やデザインの勉強してませんから、ネオテニーって言葉も、知りませんでしたが、ちょっと興味をそそられる言葉ですね。

奈良美智氏の作品は、20年近く前に、デザインの勉強の真似事してた頃、デザインやイラストの雑誌などで、チラホラ見かけてましたし、その後ポスターや本の表紙などでも使われてるのを、ちょっと気になってたりしてました。

始めの頃は、保守的な私の脳みそは、こういったスタイルには馴染めず、反発半分、興味半分でしたが、歳とった今のほうが、逆にこちらから求めてしまいたくなるような、世界ですね。

自分の世界ってのは、こういう作品の事を云うんだろうなぁ。
自分の世界を作ってこなかった自分が、情けないなぁ。
羨ましがってばかりじゃあ、いけないなぁ。

影響受けたく無いので、あんまり見たくはないですが、この展示くらいは、原画を直接見てみたいと思ってます。

で、娘に、見に行くかい?って聞きましたらば、「ん?いい(行かない)」って云ってたんですが、先日、美術部でタダ券を貰ったと、私に得意そうに見せては、「友達と見に行く!」って報告してくれました。写真左に写ってるのが、その嬉しいタダ券ですね。

今日は、図書館を2件ハシゴしてきた娘は、「最近、図書館にハマっとんよ〜」とか云って、本をどっさり借りてきてましたが、半分は海外のホラー小説、半分は動物が主人公の冒険小説のようです。まぁ何にしろ、図書館に通ってくれるのは、有難いことです。

私が今、奈良美智さんの作品に魅了されるのは、この娘の影響かもしれないなぁって、思うんです。どこか同じような空気感を持った、女の子ですね。

ちなみに、ネオテニー(幼形成熟)という言葉は、娘も飼っている、ウーパールーパのような両生類の生態をさす言葉らしい。そんなところも、(無理矢理)共通してるかな。

今、自分の世界と云えるものが有るとすれば、私にとっては、私の家族が自分の世界であり、作品ですが、逆に、娘からもっと、色んな事を学ばないとなぁ。

もし自分が何かのグループに、分類されねばならぬ、とすれば、こういった「ネオテニー」な世界の側に、入りたい気持ちです。それが恥ずかしいとは、思わない。

もう遅いかもしれないけど、悪あがきはするつもり。

2010年4月17日土曜日

割れ難く、割れ易い

破壊強度試験、みたいな試験をしました。破壊の強度を試して体験する訳です。

木の製品の、デザインの難しいのは、木の繊維方向に対して、水平な衝撃が加わると、簡単に折れてしまう木の特性が、あるからですね。ある程度の厚みが有れば、多少は凌げますが、それでも意外と脆いものです。

空手家が板を割れるのも、そういった特性が木にあるからで、繊維方向が直交して貼り合わさった合板なら、中々割れないと思います。

私がこれまで作った玩具の中で、壊れた物の多くが、繊維方向の割れが原因です。なので、どれくらいの力で割れる、折れるものなのか、簡単な実験、体験をしてみました。
これは、幅約4センチ、厚み約2センチの、ウォルナットの木片を、繊維方向に水平にバイスで固定して、約30センチほど離れた所から水平に、木槌を振り当てた所です。それほど強く当てた訳ではありませんが、ウォルナットは一撃で、繊維方向に割れてしまいました。
実験した木片。左からウォルナット、ブラックチェリー、イエローバーチ、ハードメイプル、ブナ(2つ)です。

写真では左から、私が割れ易かったと、感じた順に並べてます。あくまでも、私の感覚ですし、材の状態でまた違ってくると思いますが、まぁ大体こんな感じってとこです。

特にブナが一番粘り強く、数回強く打ちつけましたが、複数の亀裂が入るばかりで、完全には割れませんでした。試しにもう一つ、実験したので、ブナの木片が2つありますが、どちらも割れてません。

詳しい事は、サイトのほうでまとめて発表するつもりです。全く学術的ではないですが、個人的には得る所もありました。

強引にまとめれば、硬い広葉樹といっても、繊維方向に衝撃が加われば、簡単に割れる!(場合がある)ということですね。何とも、恐ろしや・・・・。

子供は遠慮無しに、玩具に体重かけますし、高い所から落としたりもすれば、衝撃や負荷も大きいですから、木の玩具は壊れ易い宿命を背負ってる訳ですが、そこを何とか対処したいと思いまして、今度試験的に、ホワイトバーチの合板を使ってみる予定です。

これは、フィンランド製の樺の木の合板ですが、強度と弾力性、加工性などに大変優れてますね。合板としては高価ですが、無垢のバーチよりは、半額くらいに安かったりする。何か不思議。