2015年2月20日金曜日

手押しカンナ+自動カンナ=ドラムサンダー

ドラムサンダーで手押しカンナ盤の仕事をする。加工するのは長さ1メートルちょい、幅20センチくらいのブラックチェリーの荒材。
 そのまま、定盤の上を滑らせて、80番手のペーパー付けたドラムでザクザク研削する。手押しカンナの刃と定盤の位置が逆になってると思えばいい。定盤の平面とドラムの水平を基準に材が削られるので、材が反ってる場合は材の保持を工夫する。
 材の片面にある程度の平面が生まれたら、ひっくり返して、今度は自動カンナ盤として使う。全体が平面になれば、もう一度裏返して最初の面の残りを削る。
 あまり大きい材だと、手だけでは扱い難くて大変ですが、これくらいの平面には加工出来る。定盤が長い程、材が安定するので、今度、長めの作業テーブルに機械を直付けしてみようと思ってる。
 これくらいのサイズのテーブルなら、60センチ前後の材が一番扱いやすい。
 加工したところ。80番手のペーパーなので研削傷は大きいですが、自動カンナの刃物で切削しても、ナイフマークは残るので、仕上げが必要なのは同じと考えれば、自動カンナの代用機械として十分役に立つのでは、ないでしょうか。
 まあまあの精度で、平面がでています。
 材が削られる様子。自動カンナ盤と同じ仕組みですが、私のは材抑えのローラーを外してるのでで、鼻落ちしません。長さの制限もほとんどないし、逆目ボレもありません。加工スピードが刃物に比べて圧倒的に遅いですが、刃物機械独特の加工時のストレスはありません。手送りなので、微妙な加減が効きますが、大きい物を扱うと、腕がかなり疲れます。
 平面出しの他に、直角出しも出来ます。先ずは材の平面出し。
直角出し作業の治具。 送り板に、直角にフェンスが付けてあります。
先に平面出した面を フェンスにクランプで固定する。これは手押しカンナのフェンスと同じ役割をする。このまま板を送って削れば、直角な面が生まれる。
 削ったあと。直角です。
加工した材をランダムに積んでみました。どれも平面、直角に削られてますから、積み上げてもテーブルと材とは直角を保ってます。

大きな手押しカンナや自動カンナ盤があれば、全く必要ない事ですが、刃物加工する場合でも、先にドラムサンダーで概ねの平面と直角を出しておけば、作業しやすい事もあるのではないかなって、思う。特に、荒材の加工は刃物を痛めやすいのではなかろうか。

刃物機械よりも静かでストレスが少ない事は、夜中に町中で木工をするアマチュアにとっては、大きな利点ではある。

他にも、治具を使って、様々な加工が出来るドラムサンダーは、全く便利な機械であるという事を、ドラムサンダー愛好家として最後に主張しておきたい。

2015年2月19日木曜日

ドラムサンダーの工夫。

パフォーマックス社製(現在はジェット社製)のドラムサンダーを愛用しています。一番小型の卓上型1馬力モーターですが、パワーに不満を感じた事はありません。

ただ、卓上型の宿命か、送りベルトの定盤が鉄板のプレス製なのと、抑えローラーの調整が微妙で、仕上がりの平面精度に難がありました。ので、ベルトシステムを捨ててMDFでテーブルを作り、手で材を送る方式にしてます。
この機種は以前にオフ・コーポレーションさんでも、馬力と価格を下げて販売されてましたが、人気が無かったようで、すぐに取り扱い停止になったのは、個人的に残念でした。

馬力はオリジナルのまま、1馬力はあった方が良かったろうと思いますが、それ以前に一般的な木工ではあまり出番が無いのが、人気の無さの原因でしょう。

しかし実は、使い方次第で多彩な作業で活躍出来る事は、もしかしたら日本ではあまり知られてないかも、しれない。
ドラム加工幅が25センチですが、ペーパーを挟む部分はやや段差が生じ、加工精度が少し落ちますから、実質20センチで考えた方が良い。
ところで昨年末頃、作業中に、ドラムを支えているアームが急に脱落しました。アームはハンドルの付いた台形ネジをまわして上下させますが、そのネジ山が摩耗して切れてしまったのです。

買った当初からの心配が現実になって、ちょっとショックでした。ネジは鉄製ですが、アームはアルミ合金なので摩耗に弱いのは想像つきます。
螺子山が切れたアーム。こんな小さな突起部分だけで、重たいドラムとアームの重量を支え、かつ激しい回転摩擦を受けてるのですから、壊れて当然。何故ここをもっと丈夫に作らないのか?

結局、購入先のテクノトゥールズ社にメールして、パーツを購入しましたが、3万円ほどかかりました。お金で解決出来たのは良かったですが、痛い出費です。メーカーはこういう儲けを予定しての、構造なのかなって勘ぐったりもする。
それで、次は同じ徹を踏まぬようにと、アームを補助する細工を施しました。木片にきつめのネジ穴を開けて、台形ネジを通してネジ山をつくり、そのままアームの保持板に固定します。
台形ネジを支えるネジ山の数が、数倍増えましたから、アームのネジ山にかかる負担もかなり減るのではないかとおもう。これでおそらく、ネジの寿命も飛躍的に伸びるだろう。
送りベルト機能を捨てて、手送り式にしたので、小さな材は写真のような送り板にのせて送る。材の厚みに合わせて何種類か用意してある。

これで厚み出しや表面仕上げなど、自動カンナ盤のような作業が出来るが、その他にも(手送り式にした事で)手押しカンナのような使い方も可能だ。つまり、材の平面出しと直角出しの作業が行える。その辺の詳しい内容は次回。

2015年2月15日日曜日

よいしょと持ち上げて。

ようやく作った。他の用事も入ったりして、完成までちょっと間があいた。
 タイヤが4つあるのに、転がして遊べない意地悪な玩具。愛すべきデザインには何処か欠点があるほうが、ワビサビがあって良いものです。
 転がらないからといって、遊べない訳では無い。ちゃんと手で掴んで押してやれば転がる。
現代の野砲は大砲自体にエンジンが付いて、自分で走って陣地移動出来るが、昔は砲架をよいしょと持ち上げてから、人間か馬か車輛で移動するのが当たり前で、そんな当たり前な玩具を作ってみました。