2009年7月29日水曜日

小型卓上ボール盤は偉い

車に乗せる女の子の顔を描くのに、細筆で描き上げてみましたが、難しい物ですね。
当然ながら、パーツ毎の顔も変わりますが、同じ個体の左右の顔も変わってしまうし、目の表現方法も定まってないから、途中から白目を入れたりして、どうにもぎこちない。

線は、薄い色を重ねて徐々に濃くして行くのですが、微妙に、にじんだり、濃すぎたり薄すぎたり、で、何となく汚らしく仕上がってしまう。それより、基本的に最初は一発描きなので、緊張して思い通りの眼がかけない。

目の表現方法だけで云えば、ミッフィーちゃんみたいに、とっても単純化すると描きやすいのだけれど、何だかあからさまに、逃げましたって感じがあるので、気が引ける。

紙に描いたり、塗ったりするのと、多少勝手が違ってくるので、自分の描きたい線が描ければいいけれど、それが難しいとなれば、それ用の線やデザインを考えないとイケナイ、と云う事なのだろう。ああ、めんどう。
それで、練習の意味もあって、顔のパーツを更に4つ、作りました。写真は13㍉のドラムで、鼻筋のラインを削り出している所。このドラムは、直径13㍉(実質加工径は15㍉)が最小なので、キャラクターデザインする場合、この径までで削れるラインでないと駄目!って事を前提に考えないといけません。

木工作の場合、このようにデザインに対する、加工の都合上の制限が、幾つも生じてきます。

ところで、この一番細い径のドラム加工を、最も効率良くこなしてくれるのが、写真に写っている、三共コーポレーション社製の小型卓上ボール盤です。回転数が3200〜6200までありますが、大体4000回転くらいで使ってます。これほど小型で幅広く高速回転してくれるボール盤は、他には無いかもしれません。

で、高出力高回転の宿命として、トルクが弱く、材を強く押し付けると、回転が弱まるのですが、その為に材の焼き付きが生じ難くなって、却って好都合だったりする。
手動で上下動も付けられるので、作業効率も、その小型なボディの割には大きいです。

中国製の安価な機械、という根本的な不安感は、ついてまわります。チャックも噛み合わせが悪く、モーターベルトなど笑ってしまう程、ボロなので、ミシン用ベルトに付け替えたりもしましたが、この13㍉径のドラムサンダー用の機械としては、これより大きく高価な、他のどの機種よりも一段上の仕事をしてくれます。

2009年7月25日土曜日

工房の湿気とカビ対策

ここ数日、普段は雨の少ない松山市でも、降雨が続いてます。断水の心配から解放されて、喜ばしいのですが、湿度が高くなるので、木工する向きには喜ばしくありません。

特に家具工作のような、精度を要求される木工なら、木の膨張収縮の差が激しいこの時期は大変でしょうが、精度を要求されない私の木工でも、工房環境全般で注意を要します。

工房内の湿度計が、80%を常時超えるようになると、湿気でカビが発生したり、機械の金属部分が激しく錆びたりします。

カビは、治具の素材でよく使う、MDFの板、それも汗や汚れの付着した部分から、発生し易いです。一度発生すれば、奇麗に拭いた後でも、同じ所からまた発生します。他に、壁に打ち付けてある合板なども、足下部分にカビが発生します。

湿気は足下に溜まりますので、こういった素材の物は、成るべく高い位置に置くようにしています。壁の場合は、壁と物(機械)の間に成る可く隙間を空けて、空気が通りやすくしてやります。

カビ対策として先ずは、部屋の換気扇を、降雨前から止めてやる事が大事ですね。
翌日雨天の予報があれば、前の日から換気扇を止めます。1〜2日の雨天であれば、これだけでかなり違ってきます。外は雨でも、外気が積極的に入らなければ、作業場は70パーセント以下のままをキープ出来ます。

湿度が高くなってしまっても、工場扇、扇風機などを1日中回して、部屋中の隅々まで、空気が滞留しないようにしてやれば、カビの発生はある程度防げると思います。もっとも、これは私の作業場が広く無い(約8畳)から、効果があるのかもしれませんが。

換気扇の取り付け位置で、一つ疑問を感じたのには、業者さんに頼むと、吸気口を足下に、排気口を天井付近に、取り付けるパターンが多いように感じますが、これは湿気対策としては、甚だ宜しく無い位置でして、足下の大量の湿気を、そのままに吸い込んでしまいます。部屋の空気を対流させる為に、高低差を付けるのは解りますが、それなら排気口を足下にしたほうが、実用的ではないかと思う。

私の作業場では、もう排気口の場所は変えられないので、足下の吸気口を塞ぎ、出入り口の引き戸の腰くらいの位置に、吸気用の穴を開けました。

まとめると、
・湿度計の設置。
・天候に応じた換気扇の作動と停止。
・吸気口を高くしてやる。
・工場扇等利用した、部屋の空気の全体的、継続的な撹拌と対流。
・足下にカビ易い素材を置かない。

などが、私の行っているカビ対策です。

2009年7月12日日曜日

ドラムサンダーの水平調整

以前作った「ザリガニ」の画報を描こうとしたのですが、一週間考えても、良い案が浮かばないのでやめました。代わりに、その前に作った「エビセン」の画報を描きますが、これはちょっと絵物語風に描きたいと思ってますので、時間が掛かりそうです。多少の資料集めも必要だし。

作りながら画報も考えて描く、のは大変ですが、好きな事ですから何とかしてみようと思ってます。「ヤドカリ」だって、描けんかなぁ、やめよかなぁと思いながら、描けたし。何とかなる筈だ。
ドラムサンダーのドラムの水平調整をしました。このつまみを、左右に回す事で、ドラムの水平を調整します。つまみは、両側のネジで固定されてますので、先ずこれを緩めます。
現在の、定盤とドラムの水平度を計るのには、ペーパーを一回取り外して、隙間測定定規など使って調べますが、手っ取り早く調べるなら、こんな風に板に墨付けて、軽く当てて手動で回転させてやると、大体の感じが解ります。ただし、板自体のソリも微妙にあれば、正確さには欠けます。それに、ペーパーが巻かれてあるのと、無い時との水平の度合いも、微妙に変化してしまう。
で、私はどうしてるかといえば、こうやって薄い板を左右の両端と、真ん中に差し込んでは、手に伝わる抵抗の感触で計ってます。実際に削る状態での測定なので、案外上手くいきます。
人間の手の感覚は、上手く使って、かつ、信頼してやれば、以外と役に立つものです。
ステンレスの水平定規を、材の対角線状に当ててみたところ。こんな機械で手押しの研磨ですが、まあまあ使える程に、平面が出てくれます。

機械ですし、所詮卓上型なので、どうしても癖は出てきますが、その辺は手押しの際に、伝わる手の感触で推し量り、研磨の向きやスピードを変えたりして、辻褄を合わせてやれます。ここでも、手の感触は重宝してます。