2011年10月31日月曜日

ヤマドリ訓練夜話

昨晩、雨の山を歩きながら、「滑り易いから気を付けて」と娘に云うと、「縁起が悪い」なんて云うので、何の事かと一瞬思ったが、ああ、受験の事ね。

この子も、そんな事が気になるほどに、一人前に緊張してるのか?

「それならば、お父さんが合格祈願の、お祀りしてあげようか?」って聞くと、どっちでも良いような、して欲しいような、「うん」と云う。

「でも、お金は払って頂かないと、困りますなぁ、お客さん。」「お金さえ頂ければ、どんな願い事でも、ご祈念してさしあげますよ、エッヘッヘ。」って、大人らしいセリフを言うと、「私、お金持ってないじゃん。」って、反論されて、そう云えばそうだ。

娘には、生まれてこのかた、月々のお小遣いを渡した事がない。本人自身、そういう物の必要性が少ない性格のせいも、ある。

親子で本屋や雑貨屋などに行く時は、ある程度、好きな物を買って良い事にしているし、お金のかかる趣味もないので、本人はあまり困ってないようだ。

或は、小遣いくれと云う事の、リスクを取るより、云わない事の親への心証の良さを、選んでいるのかもしれない。表面的な事象のみで、子の性格を良いほうに判断するのは、浅はかではある。

ただし、毎年のお年玉の幾らかは、使って良い事になっている。それで、時々まとまったお金の無駄使いも経験して、怒られてるので、多少はお金に慎重になってるのかも、しれない。

もっとも、親としても、ワザとお金で失敗させる為に、時々大きなお金を渡す事もある。それで詰まらぬ使い方をした時は、内心ほくそ笑みながら、大声で怒ったりする。

娘は、クラスの同年代の友達と比べても、やや変わった存在らしい(そう、本人が云っているし、たぶんそうだろう)。それでも、イジメられる事なく、学生生活を楽しんでいられるのは、彼女の人間的な才能(長所)の一つとして、考えてやりたい。

もし明日、彼女が死んでも、お互い悔いの少ない様に、今日をしっかり見て、話して聞いて、怒っても、一日の終わりは優しくしてやりたいというのが、昔から今に続く、私の子供への接し方の大原則です。

・・・で、合格祈願ですが、お金の無い娘は、お金がかからない方法を選んだ。

「お正月に、数の子とタラコを沢山食べるから、(お祀りしなくて)いい。」「なんで?」「◯が沢山とれるから。」・・・だそうです。

そう云えば、この子は食べ物で釣れば、どんな困難にも黙って立ち向かうのでした。

「毎年、沢山食べてるやん。」「でも来年は特に、沢山食べたい。」何かと理由付けて、自分だけ沢山たべようという、魂胆のようです。

野戦救急包帯

 日曜日の夕方で、雨が降ってるとなれば、もう山に行くしかありますまい。という事で、今晩も夜間警備訓練を行いました。

山中は深い霧がかかって、一寸先は闇。降りしきる雨は、沢を伝って登る隊員Aの足元で、濁流となって流れていきます。
荒れ狂う 沢を無事、渡り終えたらば、歩きながらコンパスの使いを学びます。昔から、東西南北の理解が苦手な娘。

苦手は誰にでもある事ですから、それは仕方が無い。こういう訓練の中で、少しずつ理解してくれれば良いけれど、理解出来なくても、今日は楽しければいい。
 大雨に驚いて、コンクリートの上に出て来た大ミミズを、土のある場所に移して、救助し終わった直後の隊員A。とても満足そう。
おおっと、大変です。隊長が左足を負傷しました。急ぎ手当を施す隊員A。

横になった隊長の長靴を脱がせて、怪我の箇所を確認します。怪我はまるで、赤いマジックで×を描いたような傷でした。

そこに消毒液をかけて消毒し、(ワセリンを塗った事にしてから)野戦救急包帯で傷口を保護します。

さっき、ミミズを触った手なので、くれぐれも、傷口と保護パッドは触ってくれるなと、頼むヤマドリ隊長。

雨降る野外、暗い場所での包帯作業は、中々思う様に進みません。それでも後で、「傷口が包帯と丁度良い大きさだった。」なんて、冷静に観察していた隊員Aでした。

今回は、出がけはちょっと気の乗らない、隊員Aでしたが、沢(排水溝)を渡ったのが楽しかったらしく、後半は元気でした。

2011年10月30日日曜日

ボール盤穴開け加工の参考

 写真のビットは直径8ミリのドリル。金属の軸で8ミリもあれば、そう簡単に曲がったりするようには、思えませんが・・・
ちょいと、指で押してやれば、ご覧の様に片側に約1ミリほど、先端がブレます。両方で約2ミリほど軸先がブレる可能性を考えて、加工しないといけない訳です。

ライフルの弾なら、右回転しながら飛んで行きますから、銃口は右上にハネ上がり、弾丸の軌道もやや右寄りの癖を持って、進みます。つまり、弾丸は一直線に真っすぐには飛ばせない。

これの理屈が、右回転するドリルビットにも、当てはまるのかどうか、解りませんが、材の状態の影響を受け易いのは確かで、真っすぐ押し込んでも、垂直に穴開け出来る物ではありません。

その前提を頭に入れておきながら、加工法を考えないと、真っすぐな穴開けは更に難しい。
 私の今の、貫通穴開けの手順の一例。先ずは一方からドリルを送り、センターが突き抜ける所で止まる様に、ストッパーをかけておく。
 材の反対側。ドリルのセンターガイドが開けたこの穴を、ポイントにして、刃先を誘導する。試しに、開いた穴と、材との垂直な線を引いてみる。
ドリルのセンターに合わせて、材を固定。この時、 バイスの口板に引いた、センターのラインと、材のラインがほんの少し、ズレているのは、最初に送ったドリルの軌道が、これだけズレてしまった、という事。
 ポイントで合わせて、ドリルを送ると、奇麗な加工面でまっすぐ穴があく。
ただ、スピード重視で、単純に材をひっくり返して、線で合わせただけでは、色んな誤差が複合して、この様にズレからくる段差が生じる。

実用上問題無ければ、加工面の美しさを優先して、このまま使用する。このような段差、ズレが許されない加工の場合は、なるべく手間かけて、ポイントをしっかり合わせて加工する。

捨て板を沢山用意して、一回通しで加工した方が、早いかもしれないけれど、穴の縁がむしり取られて、汚くなる可能性も大きく、その時点で商品として不適格になれば、そちらのほうが損失が大きい。

どういった手法が最良か、まだはっきりとした事は云えないけれど、穴開け一つとっても、奥が深いものです。

2011年10月27日木曜日

フヂちゃん、森に入る

フヂちゃん、ようやくようやく、42話に更新しました。宜しければ、ここをクリックで、ご覧下さい。

3週間くらい、ほったらかしにしてましたら、ブログランキングのほうは、すっかり圏外になってました・・・まぁ、仕方の無い事です。マイペースで進めます。

これから、舞台が森の中になりますが、どんな森を描きましょうか。楽しみなような、難しくて怖いような。

フヂちゃんの、話の内容も、私の中ですっかり変わって来ています。これまでは、両親とお出かけしてるつもりでしたが、今日、この絵を描いていて、180度違う事を考えた。

フヂちゃんは、帰ろうとしてるのかも、しれません・・・そう云う事で、話しを作り替えてます。

2011年10月23日日曜日

ボール盤用バイスの決着

 ボール盤用、スライド木工バイスが出来ました。バイス本体は、底板とボール盤テーブルを、バークランプで掴んで固定します。
 バイスの掴み面の底には、マグネットシートを付けた、航空合板を付けてあります。

バイスのスライド面の、油汚れの付着や、隙間に材が落ち込むのを、防ぎます。

先回にも記事にしましたが、通し穴は、このバイスで加工する時は、捨て板使わず、2回通しで通す様にします・・・ので、底は、こういう薄い板で充分です。
 バイス本体も、前後にスライドします。加工する時は、不意に動かない様に、トグルクランプでしっかり固定します。
 奥のフェンスは長めにとり、テープ式のメジャーを貼り付けて、真鍮ハタガネで作ったスライドストッパーを、取り付けてます。

小さいながら、テーブルソウ並のフェンス精度で、材の位置決め、移動が可能でございます。
スライドバイスの活用例。バイスの口板に引いてある、センターラインに、ドリルのポイントを合わせて、バイス本体底板を固定。
バイスのセンターに、材のマーキングラインを合わせれば、簡単に位置決めが出来る。

それから、バイスを前後にスライドさせて、ドリルのポイントを、材のポイントに合わせる。

ポイントが決まれば、トグルクランプでバイスを固定する。
セッティングが完了した場面の写真。ストッパーで位置決めして、ポイント決めしても良し。

一度目の設定が正確に出来れば、二度目以降の加工は、楽に素早くセッティングが出来て、便利な事が、期待される・・・おそらく。

卓上型のボール盤加工で、材を簡単に、確実に固定する方法は、昔から試行錯誤してきましたが、今回これで、幾らかは決着が付くでしょうか。

文鳥はカワイイ

我が家のカワイイ文鳥。カワイイ小鳥だけれど、もうすっかりお爺さん(7〜8歳)。

水浴びすると、お腹の羽根の無いのが良く解る。夏に抜けてから、一向に戻りません。お尻も赤剥けの所があって、お猿さんみたいです。でも、文鳥です。

両足痛めてしまって、丸い棒の止まり木には止まれなくなったので、板で止まれる場所を、作ってやった。餌箱や水箱の移動もバリアフリーで、底板もかさ上げしてあり、至れり尽くせりだ。

壷巣の中は、自分のウンチで丘が出来てますが、それが身体を依りかけるのに、ちょうど良いらしい。自分のだから、気にならない様です。ウンチの上で、寝てる姿もカワイイ。

カワイイ文鳥のウンチは、臭いは不思議と全くしなのですが、飼い主だから慣れてしまってるのかも、しれない。

身体を掻くのも、転んだり、脚が届かなかったりで、一苦労です。板の隙間に落っこちて、引っかかってギャーギャー鳴いたりもしますが、何をやっても、小鳥なのでカワイイです。

2011年10月22日土曜日

ボール盤でフライス盤、そしてワセリン

 たくどうさんの、コメントでヒント頂いて、ボール盤でスパイラルビットを回転させて、フライス盤のような、仕事が出来ないか、やってみました。

ビットの回転数は、関西ですので60Hzの毎分3600回転。ルーターなら1万回転はするので、回転不足は始めから解ってます。加工材は、柔らかな朴の角材。
 最初に、5ミリくらい縦に削り込んでから、スライドテーブルで横移動させたらば、ビットが大きくブレて、加工面がひどく荒れました。それが加工箇所の右端の部分。

なので、縦の送り(深さ)を2ミリくらいにして、ドリルで穴開けする様に、ビットを何度も上下して開けながら、少しずつ横移動の繰り返し。

左端までいったらば、ビットを降ろしたまま、材をスライドさせて戻し、側面と底面をならします。

ドリルでホゾ穴開ける時の、作業要領とほとんど変わりませんが、ドリルと違って、底面が奇麗に仕上がる。
 少しずつ、深さを増しながら、繰り返し作業します。
 縦方向にも、移動してみました。あくまでも少しずつ、ゆっくりが基本です。ドリルで穴開け出来るんですから、ルータービットでも、加工出来ない訳では無い。

フライス盤の様に、ボール盤で加工出来るかと云えば、大量生産には全く不向きながら、趣味で使う分には、少しは使えるかな?という感じです。或は、治具作りなど限定的な用途なら、使えるかもしれない。

いかんせん、回転数が低すぎて、ビット本来の加工能力は引き出せません。
ワセリン。怪我の治療剤として、工房に常備してます。怪我、火傷等の外傷の場合、消毒薬で消毒したら、しっかり水洗いして、今度は消毒薬を洗い落とさないと、傷口が消毒薬に負けて、治りが遅くなるそうです(健康な細胞まで死んでまう)。

なのでむしろ、場合によっては消毒薬は塗らない方が、良い。水のある所なら、水でしっかり傷口の汚れを洗い流す。

で、水洗いしたら、このワセリンを塗るのが一番良い。ワセリンは薬では無いけれど、肌の細胞に一番やさしく、細胞の再生を助けてくれる、働きがあるそうな。

それを昔、テレビの授業で知って、驚いた。それからは、ワセリン教の信者になっている。

乾燥肌なので、冬はこのワセリンを全身に塗っている。始めはベトベトして気持ち悪いけど、そのうちに肌がミズミズしくなってきます。

と、前置きが長くなったけど、今日はこのワセリンを、鼻の穴に塗りました。このところずっと、鼻の中の出血が止まらず、困ってるんですが、作業中はマスクの他に、鼻にワセリン塗って、微細粉塵や刺激臭から鼻の粘膜を、守ってみる事にした。

保護と治療の両方の効果を期待してます。上手くいくと、良いですが。

12/10 追記:ワセリンの効果は直ぐに現れて、鼻腔内の出血は改善されてきました。今後も継続的に塗って行きたい。(塗るのは綿棒で塗ってます)

2011年10月21日金曜日

誇りと夢と宝物

最近、アニマックスで、平日の午後9時から「宝島」を放送してます。小学5年生の時、これを見てしびれました。それから、原作も読み、帆船が好きになって、帆船模型も買った。

プラモデルなので、色を塗りますが、そこで初めて「マホガニー」とか「ウォルナット」という色の言葉を知ったけど、今思えばこれは木の種類の名前だった。

どちらにしても、この「マホガニー」と「ウォルナット」のカラーは、魔法の色だった。塗ると白いプラスチックが、重厚な木の色に変身して、子供心に興奮しました。

それから30年以上経って、「マホガニー」も「ウォルナット」も、今では色でなく、素材そのものとして、毎日触れているのも、感慨深い。

アニメの「宝島」は、また何時か出逢えると思って、無闇にビデオを借りたりもせず、ずっと待ち続けてましたが、あれから30年以上経って、ようやく今回、再会致しました・・・感動です。

「潮風よ〜・・・」のエンディングには、毎回、涙腺が緩みます。30年以上、頑固に待ち続けた甲斐があった。例えるなら、初恋の人が当時のままの姿で、突然現れた時の感動みたいな、感じかな。

午後9時の「宝島」が終わると、その次は「のだめカンタービレ」で、これもお気に入りです。
 ボール盤での穴開け作業の、精度向上と効率化を図って、2軸スライドバイスを買った。先ずは、全部ばらして灯油で洗浄。ついでに、仕組みも理解出来て、勉強になる。
 口板は自分で作ってます。板のサイズは5×12センチで、ボール盤用のバイスとしては、大きめで助かる。

本体も、大型の卓上ボール盤の、テーブルに乗るサイズ。が、重さは10キロ近くあって、正直重い。高さもかさばるので、使う時はかなり、テーブル位置を下げねばならず、これも面倒。
なので、普段はこのバイス部分だけ外して、使おうかって、思ってる・・・何のこっちゃ。

ただ、普通のボール盤用バイスでは、口板サイズが小さすぎて、木工用に使い辛い。

・・・ので、これはこれで便利だし、精密工作の時は、本体と合体すれば良いし、そうなると、本体が同じく3つに分解される、ウルトラホーク1号みたいで、格好良いじゃないか。

テーブルは、ハンドル1回転で3ミリ移動します。これは、中国製ながら、中々正確に動きます。

2011年10月20日木曜日

工芸用合板

今年始めから、研究予定だった、工芸用合板製作を、ようやく始めました。
 芯材のブラックウォルナットと、表面材のハードメイプルの薄板(約5ミリ)を作ります。この作業は中々大変。

1馬力のバンドソウで、ハードメイプルの幅10センチ超えを挽き割るのは、ちょっと辛い。更に、幅広の材を、1馬力の小型のドラムサンダーで削るのも、辛い。
瞬間接着剤塗って、合板用自作クランプで、片面貼り合わせ。ウォルナットは2枚合わせ。

材の繊維方向は、それぞれ直交するように作るのが、この合板製作の一番のポイント。そうする事で、衝撃に対しての強度を確保し、玩具としての用途に適応出来る、素材にします。
芯材になるウォルナットに、やや段差があるので、もう一度ドラムサンダーに通して、平面にする。

ハードメイプル側に、両端に無駄があるのは、ドラムサンダーで厚み出しした時の、ハナ落ちした可能性の余白。
両面貼り合わせました。瞬間接着剤を、大量に使う作業です。眼や鼻を痛めない様に、換気に注意しましょう。
こんなのが、出来ました。まだ、使う当てはありませんが、これに絵を描いて、糸ノコで切り抜き、色を塗ってみたいと思ってます。

2011年10月19日水曜日

どっちもどっち

不定期連載漫画「フヂちゃん」は、忘れてる訳では無いですが、今は玩具の製作で頭が一杯。

このブログ、睡眠時間減らしてる要因になってるので、もう少し間を空けて、更新したいなぁと思いながら、ついつい書いてしまう。
 今回は、仕上げ塗装に、キヌカを使いました。オフ・コーポレーションで買ってました。知ってる人は知っている、米ぬかで作った塗料。

天然だから、安全って事では無いですが。世の中には、お米アレルギィーなんて症状もありますから、体質によっては、却って身体に悪い影響を引き起こすかも、しれん。

手に付いた感触で云えば、石油精製品のミネラルオイルのほうが、焼ける感じがやや少ない。ミネラルオイルは化粧品素材なので、当たり前と云えば、そうかもしれない。

他人への安全より、使用者の安全を先ず考えて、つまり、自分が使い易いのを選んでいます。

シュタイナー教育発祥の地、ドイツで、木の玩具に植物系オイルを塗ってるなんて話しは、あまり聞かない。ドイツ(ヨーロッパ)では、木の素材の玩具は、色のペンキで塗り固めるのが一般的、という印象を持ってる・・・そのほうが、物が長持ちして、衛生的でもあるし、子供の成長と色に関するこだわりが、ドイツにはあるようだし。

もっとも、この印象の根拠となる情報は、やや古いかもしれない。今はどうなのか、変わっているのか。調べるのも面倒なくらい、今はどうでも良いやって感じ。

木の玩具で、子供が情緒的に育っても、情緒的でない子供の集団にいじめられて、社会に対して心を閉ざしてしまっては、木の玩具とか、教育法とか、何の意味も無くなってしまう。

そう云う状況は、子育て論の中では、あまり想定されないのだろうか?・・・私はすごく大事な事だと思っている。

あまりに情緒的、安全で囲まれた世界で、育てられてる子を見ると、私はその子が気の毒でならない・・・ただ、幸運を祈るのみだ。親は子に、自分の心の怯えに打ち勝つ、何かを持たせてやって欲しい。
 左がキヌカ仕上げ。右がミネラルオイル。見た目あまり変わりませんね。ミネラルオイルは乾かないので、量の差はあれ、何時までも湿った感じがするのが、良くも悪くもある。

色塗装面の仕上げには、最適だと思うのですが、無垢の木の作品なら、植物系オイルのほうが、乾いてくれるので、良いかなって思う。特にタイヤは、ミネラルオイルだと、下に染み移って困る時がある。
一輪車は、もう一度デザイン変更しますが、あとはこのデザインで、決めようと思う。タイヤに使う材種は、検討の余地がある。

2011年10月18日火曜日

2回通しの術

前回紹介した、卓上型のベルトディスクサンダーと同じタイプの機械は、もうどこも扱いが全く無い様です(ベルトやディスクは別売品で扱ってる)。えええ〜、なんと! 今、新品で手に入れようと思えば、アメリカから個人輸入するしか無さそうです。

今まで、あるのが当たり前と思ってた機種が、いつの間にか無くなってる事は、良くある事ですが、機械と工法が密接に関係してる場合も多いので、うっかりしてられません。

評判の良い機械は、やがて他のメーカーが、中国製で模倣して安くなり、それで評判が落ちて使われなくなり、そして扱いが無くなる、なんて悪循環だろうか?
 一応、デザインが決まった車の玩具。まだ製作途中ですが、つい気の早い事をしてしまう。タイヤが1輪から5輪まである。使ってる木の材種も5種類。七五三で、男の子の五歳の祝いのプレゼントにピッタリか?・・・じゃあ、3歳と女の子の7歳は、どうするんでせうか。
 この4輪のデザインは、これで正解な様に思う。他の物とも、デザインの整合性が取れているように思う。

「絵本玩具」では無いけれど、木の玩具として、単純ながらスタイルが良く、且つ、製作し易く廉価な物を目指した場合の、今の私の答えの一つです。
おそらく、本職では当たり前かもしれませんが、ドリルで貫通穴を開けるとき、一度で貫通させずに、ドリルのセンターを少し貫通させて止め、そこをポイントとして、材をひっくり返してから、もう一度ドリルを通す、2回通しで開けました。

そうすると、貫通側の材のめくれが防げて、両面奇麗になります。一度で開ける場合、下に捨て板当てても、貫通側は荒れる事も多い物です。

写真の穴に、浅くリング状の跡が見られるのが、2度目のドリルの跡です。微妙にズレる事もありますが、これくらいなら実用上問題無い。

プロは、とうの昔に常識だったかもしれませんが、ヤマドリ工房では今日から、常識になりました・・・はやく気が付けば良かった。

2011年10月17日月曜日

木工って本当に思う通りにいかなくて嫌になる

 こないだ作った、5輪車用の胴体パーツ。まだ仕上げが進んでないのは、デザイン変更した為。

このパーツは、胴体中央を刳り貫いてますが、これはドリルで穴を空け、手のみで成型し、軸付きドラムサンダで仕上げる工作です。ホゾ穴を開けるのと、同じような工程ですね。

手のみで成型するので、量産にはむきません。仮に、角ノミ機械を使っても、ストレス無くスムーズに、数多く正確に、加工出来る物では無い事は、木工やってる人なら察しがつく。量産に向かない工法で、作ってしまった作品は、やはり採用する訳にはいかない。

ルーターを使う案もあろうが、長く安全に簡単に作りたい私は、それも却下。
刳り貫きをドリルと、バンドソウして、中をベルトサンダーで削れば、安全で簡単、早く正確に加工出来るけど、バンドソウとベルトサンダーを使うには、材に切り込みを入れなければならない。

今までは、それで諦めてたけれど、発想を根本的に変えてみた。加工の為の切り込みを、デザインに替えてやれば良い。そう思って作り直してるのが、上の写真。
 ついでに、シリーズでデザインに統一感を持たせる為に、4輪車のほうも、切り込みを意図的にデザインとして、加えてみた。

下の、ウォルナットを埋め込んでるのが、これまでのデザインで、何か、平面的すぎて、しっくりこなかったけれど、今回のはたぶん、面白くなる筈だ。
 で、バンドソウで荒く刳り貫き成型したところを、このベルトサンダーで一気に研削して、仕上げ成型。

実はこの作業の為の、機械改造だったんです。あっという間に、正確安全に作業が進みました。ベルトが平らなので、きちんとした平面が出てくれます。写真のベルトは、番手100番。
ところが、中々そう上手く事は運びません。仕上げの手間を少しでも省こうと、320番手のベルトで研磨中に、ベルトが2度も裂断してしまった。

原因は、写真でも解る様に、ベルトの継ぎ目の強度不足。ベルト自体、やや古い事もあり、継ぎ目のテープの接着が弱くなって、接合面がめくれて、そこに材が当たって、剥がれてしまったのです。

同じベルトでも、100番手のほうは、ベルト同士が重なって接合されてるので、段差が大きい物の、接着強度は大きく、丈夫です。

さて、このベルト、どうしよう。320番手が使えるのが、この機械の取り柄の一つだったけど、これではこの番手は使えないか。

アメリカ製の、別メーカーの物を、面倒だけど、取り寄せるか。そうすると、また色々厄介が増えそうだし。

あ〜、中々上手くいかない物です、全くもう・・・。

2011年10月15日土曜日

山中食事訓練:ナイフの活用

 10月ともなれば、娘の嫌いなクモも身を潜め、いよいよ、野外演習の季節となりました。今期の訓練始めは、山岳機動中での食事訓練を、行いました。

日中雨も降りましたので、雨天での訓練を期待しましたが、残念ながら訓練中は降りませんでした。それでも、合羽を着て山の中を歩きます。今回から、足元は長靴を履く事にしました。写真は、母親の長靴を履いて意気込む、隊員A。

雨天に限らず、山中では積極的に長靴を履いてみたいです。と、いうのも、マタギがゴム長靴を愛用している、というのを本で読んで、影響受けたからです。暫く何度か試しに履いて、訓練してみます。
 無灯火で、雲天の夜の山中を進む、ヤマドリ隊長。今日は月明かりが無く、かなり暗かったです。

「女の人の、アルトっぽい歌声は、どこから聞こえるんやろ?」なんて、隊員Aのさりげない、背後からの神経戦に、「下の公園で、誰かが歌の練習しとるんやろ。(私には聞こえなかったけど)」と、応戦する隊長。
今日は、それぞれが使う、箸を自作しました。ナイフで小枝の皮をはぐ隊員Aは、カッターで鉛筆を削るのは、多少は経験ありますが、ナイフは初めてだったと思う。ぎこちないながら、段々サマになってきました。
左のが、娘が削った桜の枝の箸。桜は高級品だって云ったら、喜んでた。右が私の削った楠の小枝の箸。削ってると、樟脳の臭いがした。お腹壊すかなって、ちょっと心配になって、なめてみましたが、お腹痛くならなかったので、使いました。

どちらも、下に落ちてる枝で作ったのは、云うまでもありません。

箸を作った後、再び森の中に入って腰を下ろし、赤いライトの光の中で、食事の用意をします。
自分で作った箸で、カップ春雨を食す隊員A。こういうひと時が、とても好きらしく、隊長としては有難い。しかし、これは遊びなので、楽しいんですよ。
闇の中、今宵も密かに活動する、ヤマドリ警備隊の怪しい影。たった1時間半の訓練でしたが、今回も充実した内容でした。