2010年1月8日金曜日

プラグカッター用治具

「寒いですねぇ」って、心の中でブログの出だしを考えながら、深夜の作業場の温度計を見ると、約7度。あんまり同情される程の室温では無かったので、ちょっとガッカリ。でも寒いですねぇ。

兵庫県の伊丹市の駐屯地に居た頃、北海道の部隊から移動してきた人の云うには、北海道より伊丹のほうが寒いらしい。そんな事は無かろうと思ったのですが、要は暖房設備の差に在るらしくって、暖房設備が中途半端な西日本の駐屯地は、寒いって事らしい。

そう云えば、冬用の防寒ジャケットなんて、支給されてなかった。唯一、警衛所に数着置かれてて、冬場の深夜の動哨(見回り)の時に、交代で着ていた。これはかなり暖かいジャケットで、自衛隊なのに、こんな暖かい服を着ていいのだろうか?なんて、恐れ多いほどだったけど、これは北のほうの部隊では、皆に支給されてた物だ。

寒ければ、暖房付ければいいのだけれど、暖房付けるにはちょっと・・・なんて思って、寒さを我慢してるうちに、どうにもならんってところでやっと、暖房付けたりするところが、北の隊員にはこたえるのかもしれない・・・なんて昔の想い出話で、お茶を濁してようやく本題に。

プラグカッターを使う時の治具。写真は、10㍉のカッターでイエローハートを刳り貫いた所ですが、刳り貫いた材をカッターから取り出すのに、下に置かれた丸棒付きの板を使います。丸棒は直径8㍉ですが、先端はやや細くしてあります。


カッターの真下に板を置いたら、そのままボール盤のレバーを下げて、カッターを降ろします。丸棒に材が押されて、簡単に中の円材が取り出せます。これが、材種によっては、焼き付いたりして中々取れなかったのですが、この治具使うと、簡単に取り出せます。解ってみれば簡単ですが、もっと早く気が付けば良かった。

取り出した円材。板の周りが赤いのは、治具の印。端材なのか治具なのか、ゴチャゴチャした作業場では判別付きにくいため、こうやって赤マジックで印を入れてます。それでも良く、何処に置いたか解らなくなりますね。

2010年1月7日木曜日

ドラムサンダーの研磨痕


本日は、いよいよ玩具作りを再開しました。合板の型は昨日作ってましたので、今日は製材から始めます。写真はハードメイプルを挽き割って、ドラムサンダーで平面出した所。最高番手の220番の研磨痕です。通した筋がクッキリ見られます。サンダー表面に多少のヤニなども付着して、余計に筋が強く出てます。

それでも、私の玩具作りならこれで充分なんです。家具工作ならここから、カンナで仕上げる必要があるでしょうが、こういう状態の面を、カンナで仕上げるのも、ちょっと大変ですね。ドラムサンダーはたぶん、サンディング仕上げが基本の工作物に向いた、機械だと思います。

水平研磨の自作ベルトサンダーで使ってる、ユタカ社製の220番手のベルトの継ぎ目を、研磨してみました。80番手の研磨布で磨きましたが、厚みは大して変わってません。しかし表面がツルツルになったお陰か、作業時にコトコト感は残る物の、研磨面の凸凹は以前より目立たなくなりました。

この作業はもちろん、のほほん様のサイトで紹介された技法を参考にしてます。たぶんこのへんです。

研磨後の部材表面の参考。継ぎ目の出っ張り部分がツルツルになったので、凸凹に削れにくくなり、材も扱い易くなりました。良かった良かった。のほほん様、有難うございました。

2010年1月6日水曜日

ナバロンの工房

今月は、ヤマドリ工房環境保全強化月間です。誰が決めたって、そりゃあ私が決めました。なので今日は、保全についての関連記事を載せてみます。

以前から、サンディング作業時の微粉塵や研磨粒などが、作業者の呼吸器や眼球に宜しく無かろうとは、思ってましたが、今回それに関連した用品を購入して、試用してみました。

先ずは、防塵マスク。

写真左側のマスクが、モノタロウの通販で新しく購入したもの。興研社の防塵マスク1021Rタイプ。吸気缶が2つ付いたタイプで価格が2500円くらい。右側がホームセンターで購入して、これまで使ってきた、興研社の1010Aタイプ。吸気口が1つのタイプで価格が1500円くらい。

カタログデータでは、1010Aタイプのほうが吸気抵抗が低く、つまり呼吸がし易いとなってまして、実際に比べてみても、確かにやや、楽かなぁとは思います。吸気口が2つあったほうが楽そうなんですが、そうでもないようですね。

ならば、値段の高い、吸気口が2つのタイプは、何の為にあるんでしょうね。フィルターの寿命が永いんでしょうか。個人的には、1021Rタイプのスタイルが格好良いので、こちらを付けたいのですが、使用感で選べば結局、1010Aタイプに手が伸びます。

次は、作業ゴーグル。

山本工学のゴーグル型保護メガネ。2000円くらい。モノタロウで買いました。眼鏡レンズ周りのゴムが柔らかそうで、良いかなぁと思ったのですが、着装時にやや、メガネのフレームに干渉して、メガネをずらしてしまう。ので、保護パットのゴムの一部分をカットしてみましたが、それでも及第点は付け難いです。

それならば、これでどうだって訳で、サカ井式C防塵頭巾を買って、私の着装に便利なように縫製し直したもの。これもモノタロウで購入。2500円くらい。本来ならば、頭巾で肩周りを覆って粉塵の侵入を防ぐものですが、私の場合は取り敢えず、眼の周りを保護出来ればいいんです。カタログでは、1021Rタイプも使えるって書かれてますが、使いにくいです。これは1010Aタイプ専用と思ったほうが良い。

で、使用感はどうだったかと云えば、ご覧の通りの大袈裟なスタイルが、私の作業内容と釣り合わないかなぁ、なんて、思ってしまう。ただし、寒い今の時期は、頭の防寒に非常に都合が良いので、今の時期に限って使ってみようかと思ってます。

では、それぞれの保全用品のファッションショー。

防塵ゴーグルに、それぞれのマスクを着装した姿。帽子被ってないので、白髪頭が目立ってしまった。高校生の頃から、白髪頭な私。メガネが無ければ、このゴーグルでも一向に構わないんですが、どうしてもメガネの座りが気に入らない。これは人それぞれでしょうから、この商品がイケナイって訳でもないんでしょうけど。

マスクに防寒頭巾を付けた姿は、「2001年宇宙の旅」か、「ナバロンの要塞」か、といったところ。玩具作るのに、こんな子供を泣かすような格好では、絵になりませんが。ただ、眼は至って快適です。夏は相当蒸れそうだ。冬季限定ですね。それより、旋盤用の保護面被ったほうが手間が無い。

買ってしまったので、悔しいから暫く使ってみますが、どうなるかなぁ。

2010年1月5日火曜日

ミャオ族の刺繍

正月も三ヶ日を過ぎると、少し余裕も出てきて、ゴソゴソと夜中に動き回りはじめます。
玩具作りは、もう少し後ですが、今日(4日)は娘と一緒に走り初めをしました。

公園の周囲を、ゆっくり走りました。何だか妙に生暖かく、着込んだトレーナーがうっとおしい。そう思ってると、やはり雨がパラパラ。正月中はずっと天気が良かったのですが、ここにきてちょと崩れてきたかな。

以前は、走るとなると、呼吸を荒くしてまで走り込んでいました。部隊での年に一回の体力測定もありましたし、訓練中にも走り込むので、とにかく走るとなれば、苦しい程に走ってましたが、今ではそんな走りは滅多に無く、比較的のんびり走ってます。娘と走ってるせいもあるけれど、健康の為にはそのほうが良いように、思う。

脚で蹴らず、頭を上下せず、走るようにしてます。黒田鉄山さんの剣術や柔術の世界に魅せられてから、成るべく筋力トレーニング的な運動は避けてますが、10代の私の娘くらいの年なら、基礎体力を付けるには、ランニングや筋トレも必要かとは、思ってますので、それ相応な事は、一緒にしてます。どんな世界に生きるにせよ、身体こそ第一の資本ですから、丁寧に作ってやりたいですね。

私自身は、元の体格、骨格がヤワでしたから、後付けのトレーニングで出来た身体は、大した物ではありませんでした。その事が却って、今の身体の使い方の、助けになってたりもしますから、どっちがどう優れてるとは、一概に云えません。筋力も大事でしょう。特に、母のリハビリを見るに付け、筋力の衰えが如何に身体を使えなくさせてしまうか、という事を実感してます。

それでも、部分的な筋力トレーニング運動のメニューなどは、どうにも無味乾燥に思えてしまうのですが、巷では人気があるようです。私の思い違いも多いかもしれない。

今年は年始から、部屋が片付いていて、気持ちがいいです。それで、奥にしまい込んでた民族衣装のコレクションなんかも、引っ張り出せるようになりましたので、少しずつでも、ブログやサイトで紹介していきましょう。
これは中国雲南省のミャオ族(苗族)の使っていた、赤ちゃんを背負う、負ぶい紐。これは紐の部分がカットされていて、残念なんですが、本来は左右に帯状の紐が付いてます。実際に使い込まれた物ですから、端々が摺れて、変色もしてますが、実用品だからこそ、細かで美しい刺繍が施されてます。

黒く見える布地の部分は、藍染めによるもの。濃い紺色です。ここまで深く染めるには、何度も染めを繰り返した事でしょう。それに豚の脂か何か、塗り込んで木の棒で叩きなめして、強度と防水性も持たせてあります。相当手間のかかった布地と、刺繍です。
刺繍のアップ。下描きなしで、思い思いに刺繍されてますが、民族的な統一性と伝統を持っているようです。広く俯瞰すれば、民族衣装の形やデザインは、地中海や北欧から東に流れて南米まで、どこか共通性も見られるものです。

そこから何か、強引に論説を語る気はありませんが、西から東へのデザインの伝播は、感じます。なので殊更に、これがミャオ族独自の文様であるとは云えないでしょうが、民族的な感性の中に刷り込まれている文様である、とは云えるでしょうね。

で、これは祭りや結婚式に限った物では無く、普段からこういった刺繍の衣装を着て、日常生活はもとより、農作業までこなしている所が、近代文明化した国家の民族の衣装とは大きく違って、魅力のあるところです。

手にもってみると、重たいです。この写真の刺繍はまだ、それほどでもありませんが、細かい物になると機械で刺繍したかのような、細かさと密度と正確さで、刺繍されてます。もう本当に驚きです。

私の作る玩具など、この刺繍の一部分ほどにも及ばない物ですが、せめて横に並べて不釣り合いにならないような、存在感の作品を作ってみたい。