2014年11月29日土曜日

油まみれ。

出来ました。依頼主さんには満足していただきました。随分ボロボロでしたが、博物館クラスには修復出来たと思います。
 仕上げはカシューを塗って、汚しと風合いをアクリル絵の具で。
 カシュー塗る前の、オイルステインの下地仕上げ。
一番手前のが、今回修復した物。変なマークも削り取り、欠けた部分も木を貼って修復しました。全体的に油を吸っていて、大変でした。上の二つはこれからです。これらも大変そうです。

2014年11月23日日曜日

腐っても本物。

 先日お預かりした仕事。分解してある一番下の品をレストアしてます。早く終わらせようと思ったのですが、何せボロボロで手をかける所が幾らでもあって、中々終わりません。

普通の木製品なら迷わず捨ててしまう 様な状態ですが、これは何しろ貴重な本物です。コレクターに取っては腐っても鯛。なので、鼻を摘みながらでも食べれるような状態には、持って行きたい。

このブログは木製玩具のブログなので、こういった品の詳しい記事は描きませんが、木工作業の一貫なので、少しお披露目。
 上の写真の下の品が、今はこの状態。割れ、欠け、掘れ、傷、腐食、油焼け等の箇所を幾つも補修してあります。埋めたり、貼ったり、継いだり、接着したり。接着剤は瞬間接着剤を使う。
 木で埋めたり貼ったりした所は、オイルステインやアクリル絵の具使って着色して、周囲の風合いに溶け込ませてやる。
 上の木のカバーは新しく作り直しました。わざと傷や凹み、油焼けなど作って塗って、下の風合いに合わせてあります。大体上手く行ったと思います。
 補修前の状態。角の所が摩耗して痩せていましたので、材を貼り合わせて厚みをつけてやった。
で、こんな感じ。色を塗るとほとんど継ぎ目が解らない。
真上から見る。良〜く見ると、継ぎ目が解るけど、見えないように見たら見えない(笑)

 で、仕上げにカシューを塗る。カシューは人造漆で天然の漆ではないから、普通はかぶれないけれど、たま〜にかぶれる人が居るそうで、私がまさにそうです。なので手袋と、手首の隙間などもテープで塞いでかぶれを防ぎます。
 蓋を開けたら口のところに、厚紙のカバーをつける。カシューが缶の口に付いて固まると、次使う時に粉が中に入って、何とも困った事になる。ので、それを予防する。
 カシュー塗りました。透と赤と黒を混ぜてある。元が油やけで黒っぽいので、年季の入った赤黒い風合いで仕上げるのだ。

今日の作業はここまででした。

2014年11月13日木曜日

新作二つ。

ボロボロばかりでなく、新作も手がけてます。
形の 複雑な物は、手間ほどには完成後の満足感が少ない。
 作品番号73番。塗りが残念だったか。
作品番号72番。作家は作品に関して、語るべき世界観を持っておいた方が良い、といった感じのご忠告を、ある方からいただいたのだが、今の所それは無理なようです。

2014年11月5日水曜日

ボロボロ。

 相変わらず、こっちの仕事も続いている。木部の仕上げ直しが主で、傷や凹みを目立たなくしたり埋めたり、塗装しなおしたり、パーツを作り替えたりして、綺麗にして差し上げると大層喜ばれるのが、こちらもやり甲斐があっていい。ただ、好評すぎて依頼が終わらない。

今回の依頼品は、中々手強そうな品ばかりで、全部作り替えた方が良さそうだけど、そこまですると全く別の仕事になるのでしない。
 中国大陸から里帰りした品々。有名な紋は武装解除時に主に日本側が削って跡形も無い。
 油でやけて、黒く炭化したり、割れたり、欠けたり、凹んだり、中国側で変な塗装をされてたり、と痛ましい姿ですね。戦後は中国側がこれを使いましたが、いくら古い品とはいえ、丁寧に整備して、丁寧に扱ってたらこれほどボロボロにはなりません。
 木部も金属もボロボロ。これをオリジナルに近い色艶に仕上げ直すのは、中々難しい作業ですが、それ故に意欲も湧きます。
パーツの接合部にわずかに残る、オリジナルの塗装。おそらく漆です。それにしても、ボロボロですね・・・。

2014年11月3日月曜日

サブカルネオ木製玩具に

 先日自作したサンディングベルトで研削、研磨。これは約10ミリ幅。ベルト周長全体をテープに貼り付けてるので接合の段差が無く、作業時の振動が皆無!なので作業しやすい。

あの、ガッタンガッタンっていう音も無くて、ストレスも皆無!
こちらは、幅約5ミリ。ベルトの厚みが薄いので、狭い所にも入れやすい。かつ、この 布サンダーは研磨力が強くて目詰まりもし難いようで、高価な既製品より快調です。

自作サンディングベルトの欠点は、作るのが買うより面倒って事ですね。

また、こういう細いベルトを使う時は、機械のフェンスを適切に作ってやらないと、実力を発揮出来ません。それもまた面倒です。

2014年11月2日日曜日

サブカルネオ木製玩具いち

成る可く直感的なラインを残したくて、作業場でラフに描いた図案をそのまま型に加工した。
合板に型紙はって切り抜き加工する。この時にデザイン上だけのラインと、実際に作業する機械で再現出来るラインとの齟齬が解るので、加工出来るラインのデザインに直してやる。
広葉樹で合板作って、型をあてて墨線入れて、バンドソウで荒く切り抜く。切るというより削ってる感じです。今日はここまで。

自分の作品のスタイルを、言葉や文字で現すのに、適当な表現を考えてみましたが、単純に「ヤマドリ玩具」で良かろうかと、思っている。

だから、上の写真みたいなスタイルの木製玩具は、世界中のどこに行ってもヤマドリ玩具。

決して、木のおもちゃでは、ありません。サブカルなネオな木製玩具、サブカルネオ木製玩具のヤマドリ玩具。「ネオ」なんて言葉が昭和を感じるな。

さて、これを死ぬまでに千個作りたい、と今もまだ思ってます。どうなる事か・・・。