2010年4月17日土曜日

割れ難く、割れ易い

破壊強度試験、みたいな試験をしました。破壊の強度を試して体験する訳です。

木の製品の、デザインの難しいのは、木の繊維方向に対して、水平な衝撃が加わると、簡単に折れてしまう木の特性が、あるからですね。ある程度の厚みが有れば、多少は凌げますが、それでも意外と脆いものです。

空手家が板を割れるのも、そういった特性が木にあるからで、繊維方向が直交して貼り合わさった合板なら、中々割れないと思います。

私がこれまで作った玩具の中で、壊れた物の多くが、繊維方向の割れが原因です。なので、どれくらいの力で割れる、折れるものなのか、簡単な実験、体験をしてみました。
これは、幅約4センチ、厚み約2センチの、ウォルナットの木片を、繊維方向に水平にバイスで固定して、約30センチほど離れた所から水平に、木槌を振り当てた所です。それほど強く当てた訳ではありませんが、ウォルナットは一撃で、繊維方向に割れてしまいました。
実験した木片。左からウォルナット、ブラックチェリー、イエローバーチ、ハードメイプル、ブナ(2つ)です。

写真では左から、私が割れ易かったと、感じた順に並べてます。あくまでも、私の感覚ですし、材の状態でまた違ってくると思いますが、まぁ大体こんな感じってとこです。

特にブナが一番粘り強く、数回強く打ちつけましたが、複数の亀裂が入るばかりで、完全には割れませんでした。試しにもう一つ、実験したので、ブナの木片が2つありますが、どちらも割れてません。

詳しい事は、サイトのほうでまとめて発表するつもりです。全く学術的ではないですが、個人的には得る所もありました。

強引にまとめれば、硬い広葉樹といっても、繊維方向に衝撃が加われば、簡単に割れる!(場合がある)ということですね。何とも、恐ろしや・・・・。

子供は遠慮無しに、玩具に体重かけますし、高い所から落としたりもすれば、衝撃や負荷も大きいですから、木の玩具は壊れ易い宿命を背負ってる訳ですが、そこを何とか対処したいと思いまして、今度試験的に、ホワイトバーチの合板を使ってみる予定です。

これは、フィンランド製の樺の木の合板ですが、強度と弾力性、加工性などに大変優れてますね。合板としては高価ですが、無垢のバーチよりは、半額くらいに安かったりする。何か不思議。

2 件のコメント:

たくどう さんのコメント...

ヤマドリさん、こんばんは~
木材の衝撃強度試験をされたのですね。
感とか伝統だけに頼らない事は素晴らしい着目だと思います。
私はエンジニアだったので、金属の強度試験は仕事として良くしました。引っ張り強度、圧縮強度、曲げ強度、衝撃試験、硬さ測定等強度試験も種々あって、適材適所に使われます。金属はJISで試験方法も強度の基準値も決まっています。
木材の場合は個体によるばらつきが大きくて金属のようには行かないから難しそうですね。
でも感ではなく、比較検査で木の衝撃強度の序列が分っただけでも大成功ですね。
実は私も車輪付き犬ティシュケースの耐荷重テストをやる積りでいます。
あれは乗る物ではないのですが、間違って子供さんが乗った場合どうなるか明らかにしたいと思っています。

ヤマドリ さんのコメント...

たくどう様、コメント有難うございます。
強度試験にも、色々あるんですね。
こういう実験は、その気はあっても、中々真面目にはしてきませんでした。
今回のも、それほど真面目ではありませんが。(笑)

きっちりとするのなら、色んな条件や状態を想定して、
時間と手間をかけてしないと、いけないんでしょうね。
素人試験ですが、時々はこんな事もして、経験の足しにしてみます。

それにしても、あのティッシュ犬も、耐過重テストされますか!
さすがエンジニアですね。
でも、作品そのものに、負荷かけるんでしょうか。
車輪だけでしょうか。
結果にも興味有ります。
楽しみですね。