2010年11月2日火曜日

カメラを知らんかね?

さて、連隊本部に呼び戻されて、叱責を受けると思いきや、連隊長はいたくご機嫌で、「敵の航空作戦を良く攪乱した功績」とかで、賞与(ピーナッツ)と昇進(上等兵)が与えられたそうな。

もちろん、本来の任務行動を逸脱していた事は、誉められた事ではなかったけれど、連隊長には、親方の能力を知るにつけ、更に高度な軍務に就かせてみようと云う、腹づもりがあったようだ。

当時、親方の所属する連隊は、師団作戦の第一線部隊として、敵築城陣地に対して攻撃前進の命令を受けたばかりであったけれど、未だ敵陣地縦深の詳細な情報を得らずに、焦っていた所であったらしい。それで、連隊長は急遽、ルル親方を本部に呼び戻し、敵陣地の詳細な航空偵察写真を撮らせようと、考えた訳です。

それで、何度か危険な偵察飛行をこなした親方でしたが、その時に使った軍の航空写真機が重たくて、思うように飛べないのが不満だったらしく、早速、自分で新しい航空写真機を、作り上げてしまったそうです。

部品材料は、部隊の資材置き場や、将校用の私物行李の中に入ってた、機械製品、それと、何処にあったのか、当時最新型の小型写真機など、部隊の中で全部調達してしまったそうなのが、ある意味、親方の凄い所です。

・・・続く。

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