2009年7月29日水曜日

小型卓上ボール盤は偉い

車に乗せる女の子の顔を描くのに、細筆で描き上げてみましたが、難しい物ですね。
当然ながら、パーツ毎の顔も変わりますが、同じ個体の左右の顔も変わってしまうし、目の表現方法も定まってないから、途中から白目を入れたりして、どうにもぎこちない。

線は、薄い色を重ねて徐々に濃くして行くのですが、微妙に、にじんだり、濃すぎたり薄すぎたり、で、何となく汚らしく仕上がってしまう。それより、基本的に最初は一発描きなので、緊張して思い通りの眼がかけない。

目の表現方法だけで云えば、ミッフィーちゃんみたいに、とっても単純化すると描きやすいのだけれど、何だかあからさまに、逃げましたって感じがあるので、気が引ける。

紙に描いたり、塗ったりするのと、多少勝手が違ってくるので、自分の描きたい線が描ければいいけれど、それが難しいとなれば、それ用の線やデザインを考えないとイケナイ、と云う事なのだろう。ああ、めんどう。
それで、練習の意味もあって、顔のパーツを更に4つ、作りました。写真は13㍉のドラムで、鼻筋のラインを削り出している所。このドラムは、直径13㍉(実質加工径は15㍉)が最小なので、キャラクターデザインする場合、この径までで削れるラインでないと駄目!って事を前提に考えないといけません。

木工作の場合、このようにデザインに対する、加工の都合上の制限が、幾つも生じてきます。

ところで、この一番細い径のドラム加工を、最も効率良くこなしてくれるのが、写真に写っている、三共コーポレーション社製の小型卓上ボール盤です。回転数が3200〜6200までありますが、大体4000回転くらいで使ってます。これほど小型で幅広く高速回転してくれるボール盤は、他には無いかもしれません。

で、高出力高回転の宿命として、トルクが弱く、材を強く押し付けると、回転が弱まるのですが、その為に材の焼き付きが生じ難くなって、却って好都合だったりする。
手動で上下動も付けられるので、作業効率も、その小型なボディの割には大きいです。

中国製の安価な機械、という根本的な不安感は、ついてまわります。チャックも噛み合わせが悪く、モーターベルトなど笑ってしまう程、ボロなので、ミシン用ベルトに付け替えたりもしましたが、この13㍉径のドラムサンダー用の機械としては、これより大きく高価な、他のどの機種よりも一段上の仕事をしてくれます。

2009年7月25日土曜日

工房の湿気とカビ対策

ここ数日、普段は雨の少ない松山市でも、降雨が続いてます。断水の心配から解放されて、喜ばしいのですが、湿度が高くなるので、木工する向きには喜ばしくありません。

特に家具工作のような、精度を要求される木工なら、木の膨張収縮の差が激しいこの時期は大変でしょうが、精度を要求されない私の木工でも、工房環境全般で注意を要します。

工房内の湿度計が、80%を常時超えるようになると、湿気でカビが発生したり、機械の金属部分が激しく錆びたりします。

カビは、治具の素材でよく使う、MDFの板、それも汗や汚れの付着した部分から、発生し易いです。一度発生すれば、奇麗に拭いた後でも、同じ所からまた発生します。他に、壁に打ち付けてある合板なども、足下部分にカビが発生します。

湿気は足下に溜まりますので、こういった素材の物は、成るべく高い位置に置くようにしています。壁の場合は、壁と物(機械)の間に成る可く隙間を空けて、空気が通りやすくしてやります。

カビ対策として先ずは、部屋の換気扇を、降雨前から止めてやる事が大事ですね。
翌日雨天の予報があれば、前の日から換気扇を止めます。1〜2日の雨天であれば、これだけでかなり違ってきます。外は雨でも、外気が積極的に入らなければ、作業場は70パーセント以下のままをキープ出来ます。

湿度が高くなってしまっても、工場扇、扇風機などを1日中回して、部屋中の隅々まで、空気が滞留しないようにしてやれば、カビの発生はある程度防げると思います。もっとも、これは私の作業場が広く無い(約8畳)から、効果があるのかもしれませんが。

換気扇の取り付け位置で、一つ疑問を感じたのには、業者さんに頼むと、吸気口を足下に、排気口を天井付近に、取り付けるパターンが多いように感じますが、これは湿気対策としては、甚だ宜しく無い位置でして、足下の大量の湿気を、そのままに吸い込んでしまいます。部屋の空気を対流させる為に、高低差を付けるのは解りますが、それなら排気口を足下にしたほうが、実用的ではないかと思う。

私の作業場では、もう排気口の場所は変えられないので、足下の吸気口を塞ぎ、出入り口の引き戸の腰くらいの位置に、吸気用の穴を開けました。

まとめると、
・湿度計の設置。
・天候に応じた換気扇の作動と停止。
・吸気口を高くしてやる。
・工場扇等利用した、部屋の空気の全体的、継続的な撹拌と対流。
・足下にカビ易い素材を置かない。

などが、私の行っているカビ対策です。

2009年7月12日日曜日

ドラムサンダーの水平調整

以前作った「ザリガニ」の画報を描こうとしたのですが、一週間考えても、良い案が浮かばないのでやめました。代わりに、その前に作った「エビセン」の画報を描きますが、これはちょっと絵物語風に描きたいと思ってますので、時間が掛かりそうです。多少の資料集めも必要だし。

作りながら画報も考えて描く、のは大変ですが、好きな事ですから何とかしてみようと思ってます。「ヤドカリ」だって、描けんかなぁ、やめよかなぁと思いながら、描けたし。何とかなる筈だ。
ドラムサンダーのドラムの水平調整をしました。このつまみを、左右に回す事で、ドラムの水平を調整します。つまみは、両側のネジで固定されてますので、先ずこれを緩めます。
現在の、定盤とドラムの水平度を計るのには、ペーパーを一回取り外して、隙間測定定規など使って調べますが、手っ取り早く調べるなら、こんな風に板に墨付けて、軽く当てて手動で回転させてやると、大体の感じが解ります。ただし、板自体のソリも微妙にあれば、正確さには欠けます。それに、ペーパーが巻かれてあるのと、無い時との水平の度合いも、微妙に変化してしまう。
で、私はどうしてるかといえば、こうやって薄い板を左右の両端と、真ん中に差し込んでは、手に伝わる抵抗の感触で計ってます。実際に削る状態での測定なので、案外上手くいきます。
人間の手の感覚は、上手く使って、かつ、信頼してやれば、以外と役に立つものです。
ステンレスの水平定規を、材の対角線状に当ててみたところ。こんな機械で手押しの研磨ですが、まあまあ使える程に、平面が出てくれます。

機械ですし、所詮卓上型なので、どうしても癖は出てきますが、その辺は手押しの際に、伝わる手の感触で推し量り、研磨の向きやスピードを変えたりして、辻褄を合わせてやれます。ここでも、手の感触は重宝してます。

2009年6月29日月曜日

ドラムサンダーの便利

目玉のパーツを作るのに、丁度いい厚みの端材を使って、作りました。長さが7センチ程の板に、黒檀の目玉パーツを埋め込んで、ドラムサンダーで面一に研削してやります。こんな小さな材でも、送り板を使って、手押しで研削してやれば、機械的に素早く作業できるのが、私の強みです。

プロクソン社に、卓上型の自動カンナもありますが、それ以外では、このサイズの材の機械的加工は、難しく危険かと、思います。私の使っているパフォーマックス社製のドラムサンダーも、オリジナルのままでは、このサイズの加工は、材が跳ね飛ばされる恐れがあって、危険です。

定盤を固定の飛行甲板式にして、材を送り板に載せて固定して、送ってやる事で、安全に小さな部材の加工が出来ます。なので、一度厚み決めした板の小さな端材など、他に利用し難い物でも、再加工、再利用が可能です。ケチですが、今風に云うと、エコです。加工された部材。220番手の2回通しで、埋め込んだ黒檀の余分を削って、面一にしました。セッティングから加工終了まで、30秒くらいです。サンダーの研磨痕は、320番手のソフトドラム研磨などで消してやります。

ひろ〜い作業場に、ドラムサンダーが10台くらい、番手やサイズなど、各種取り揃えて囲まれた中で、作業できれば、本当に楽だろうなぁ〜って、思います。ペーパーも、一度ロールでセッティングすれば、目詰まりを検知して、自動取り替え式だったりすると、なほよろし。

ただし、普通に材の厚み決めするなら、自動カンナ盤のほうが遥かに便利なんでしょうが、そうなると手押しカンナも必要で、もうどちらも置く場所がありません。ひろ〜い作業場で、ドラムサンダーと手押しと自動に囲まれた作業を、してみたいです。

2009年6月19日金曜日

手押しルーターテーブル?

絵にかまけいて、木工の話題がありませんので、自作工具の紹介をします。これはポーターケーブル社製のルーターを装着した、ルーターテーブルです。テーブルはMDFで作ってます。家具なども、作ったりしてましたので、ルーターテーブルは念願の機械でしたが、実際に完成した頃には、もう家具を作る予定も無くなって、出番を逸してしまいました。私の玩具工作では、12㍉軸のルータービットは巨大すぎます。なので、フェンスを変更して、垂直出しの用に特化した手押しカンナ風の機械に、作り替えました。心臓部のルーター。ポーターケーブル社の、古いタイプ。建築用金物で固定してます。作り替えた、フェンスの主要部。ビットは12㍉のスパイラルビット。定盤から45㍉までの高さまで加工出来ます。上の板は、指の事故を防ぐ保護板。加工材の厚みギリギリまで降ろして、ビットと指との接触事故を防ぎます。ビットの手前、←が書かれてある側のMDFの側面を、0.数㍉削ってあります。それが為、ここを基準に送られる材は、0.数㍉分削られていきます。つまり、手押しカンナ盤が横倒しになった状態ですね。

始めは、普通の幅広フェンスを作ったものの、中々定盤との垂直が出せずに悩んでたのですが、もう一つ、以前から自作して使ってました、トリマーテーブルでもこれと同じ事をして、上手く加工出来てましたので、そのまま原理を応用しました。

この仕組みだと、テーブルとビット軸の垂直さえ確保出来れば、フェンス側の平面や垂直精度はほとんど関係ありません。送り側と受け側の切り口が、平行でさえあれば、構いません。

肝心の垂直調整は、写真手前の、「シマル」と書かれた穴に埋め込んだ六角ネジで調整します。反対側にも、もう一つ付いてます。このネジはルーターの定盤を押し上げ、押し下げして、軸を前後に変化させます。前後の垂直さえ確保出来れば、仮に左右が傾いていても、作業には問題ありません。

家具用材の加工には、難があるかもしれませんが、小さな部材の加工には、大変重宝します。特に、手押しカンナ盤では大変危険な、30㎝以下の長さの材も、ストレス無く、安全に行えます。写真のこのフェンスの長さは45センチで、片側21センチ程度なので、あまり長い材は扱えませんが、60センチ程度の材でも加工してます。

削り屑は、手前の保護板と仕切りに阻まれて、ビット穴から、ほとんど吸い込まれます。加工時の騒音も、ルーターがボックスに囲まれてますので、左程大きくなく、卓上手押しカンナ盤に比べれば、相当静か、と云ってもいいくらいです。使用するビットはたぶん、スパイラルでないと、上手くいかない様な気がしますが、詳しくはわかりません。

良い事づくしな記事ですが、あくまでも、小物主体の加工用では、あります。私は材をバンドソウで挽き割る時に、垂直が必要なので、その為に使ってますが、ちょっとした加工でも、重宝してます。こういう機械を作れるのも、ネットでスパイラルビットなど、簡単に購入出来る仕組みがあってこそ、ですね。

2009年6月7日日曜日

タイヤの製作

タイヤの製作。バンドソウで切り抜き、ベルトサンダーで成形した部材を、ボール盤で回転研磨して仕上げます。回転数は3600回転。
研磨材の番手は、写真の180番から始めて、
220、320、400、600、800、1000番の順です。このうち、赤い色の数字の番手は、不織布の研磨布を使ってます。

以前は、研磨傷の残る割合が多く、やり直しも多かったのですが、沢山作ったお陰でしょうか、最近はどれも奇麗に仕上がってくれます。ポイントは、
1,軸穴を正確に開ける事。軸穴が中心に無いと、回転がブレて、磨き残しが出る。
2,面倒でも、細かく番手を変えながら、研磨する事。
3,最初の180番手で研磨傷を付け過ぎないよう、ソフトに当てる事。
などです。

デバイダーや、コンパスで描いた円なら、正確な中心がマーキングされます。
円定規などで描いた円をカットして、中心を出す定規で中心探す方法も、ありますね。
一番簡単にタイヤを作るなら、丸棒をカットする方法があります。
比較的大きな円なら、バンドソウで、治具を使って切り出す方法もある。

玩具作るなら先ずは、自分の求める円の製作を、クリアーしなければならない。

円カッターは、10㍉前後の小さな径は良く使いますが、大きな物は、私は使いません。
削り出す円より、削られる部位のほうが、大きい感のある円カッター。
使い易い材や厚みなど、意外と条件を選ぶように感じます。
黒檀で作った、ホイールのはめ込み。少しきつめのサイズで削り出してあります。
瞬間接着剤で接着。上に合板当てて小槌で叩き込みます。黒檀の縞模様と、タイヤの木目を合わせて嵌め込むと、奇麗ですね。
ミネラルオイルで塗装します。筆にたっぷり付けて、塗り込みます。右半分が塗った状態。塗った後は、ウェスで乾拭き。濡れ色に艶がでますが、艶はすぐ引いて行きます。1年もすると塗ってない様な様子になりますが、水をつけると、ちゃんと弾きます。

ミネラルオイル塗った製品を、紙の上に置いたりすると、紙にオイルのシミが出来ます。これは、量にも依るでしょうが、ひと月くらいは要注意です。基本的に乾燥しないオイルです。それが、欠点と言えば、欠点です。

2009年6月6日土曜日

早いは正しい?

ドラムサンダーの実験はひとまず置いて、今日は作品制作。ボール盤でストロークを加えながら研削します。実際の製作では、材とドラムの双方を頻繁に動かす事で、ひどい焦げ付きは防げます。こういった問題は、重く大きな工場機械を使えば、すぐに解決する事かもしれませんが、それが無い限りでは、いろいろ試してみるしかありません。どちらにしても、25㍉前後の小さな径のドラムでの作業は、効率良くとは行かないのではないか、という気がしてきた。
パーツの中仕上げ研磨。右が120番手の縦ベルトサンダー仕上げ、左が写真に写ってる、横ベルトサンダー320番手仕上げ。一気にツルツルに仕上がります。ただし、320番手では研磨量が少ないので、120番手の研磨痕を消すのに、時間の掛かる部位も出てくる。時間が掛かると、面もだれてくる。セオリー通り、120番手の次は240番手のほうが良い様な、気がしてきましたので、次回は変えてみたい。

早さ=善って事ではありませんけど、早い作業の可能な工具は、仕上がりの奇麗さと比例する感じがします。例えばカンナなら、カンナ台とカンナ刃が、正しく研磨、調整されていれば、
早い加工と奇麗な仕上がりが(概ね)保証されますが、カンナが良くなければ、平面が中々出せず、結果製品も宜しく無い様な、そんな感じで、研削、研磨加工に於いても同じ事が云えるのでは、なかろうかなぁと思う。
仮組してみました。次回作はこんな感じ。名前は決まってません。やっぱり「◯◯エビ」って付けたいけど、ザリガニもいいかなぁとか。昼間、仕事しながら考えましょう。

2009年6月5日金曜日

当たり前な結果

スリーブレスサンディングドラム(SSD)の研磨状況。120番手、300Wボール盤3600回転、ストローク無しで、約30秒間、ハードメイプルの木口面に、押し付け研磨(研削)しました。

こういったドラムは、基本的には1800回転以下で使うように、メーカー側の指示が書かれてます。その理由は、この写真を見ていただくと解り易いですね。材は焦げ、基材も破れてしまいます。おまけに、ドラムのクッション材の、溶けた物もありました。実際の作業では、ここまで執拗に焦がしませんが、木口面に焦げが付き易い事には、悩まされてます。

結局のところ、スリーブ式のドラムサンダーが、研削量、研磨面共に良好であったという、大して面白くない結果が出ました。詳しい事は、近々にウェブサイトのほうで、まとめて記事にしますが、スリーブ式以外で、良い結果を期待してた私は、ガッカリでした。

基本的に、3600回転なんて速度が、間違ってるのかもしれぬと、スリーブ式ドラムサンダーの25㍉径120番手で、1700、2400、3600回転と、それぞれ木口面を削り比べてみましたところ、
・1700回転〜研削面は奇麗だけれど、研削量は少なくて不満。
・2400回転〜研削面は奇麗で、研削量も概ね良好。
・3600回転〜研削面には、やや焦げが付くが、研削量は良好。
という結果になりました。
120番手の場合、研削量が勝負の番手ですから、わたしはこの場合、3600回転を評価します。
実験で使った他のドラムの、ここまで焦げの付く理由は、回転速度(研磨速度)もそうですが、ドラムの周長が短い為の、研磨粉と熱の排出が極端に悪いせいだと、思います。ドラム径が大きい方が、焦げが付きにくいのは、焦げの原因が研磨速度に限らない証拠です。

さて、120番手で快適に研削し、320番手でさっさと仕上げる、なんて手順に至るまでは、まだまだ研究の余地があるようです。

2009年6月4日木曜日

スリーブレスサンディングドラム

これは最近、TAMA CRAFTさんで代行輸入していただいた、スリーブレス サンディングドラム(SSD)の、25㍉径に、各種ペーパーを巻き付けた物です。SSDの国産品は一般市場では、ついぞ見かけた事がありません。以前にはオフ・コーポレーションさんの通販で取り扱いがあり、セットで随分お得な価格でしたが今は無く、今後も取り扱いの予定は無いそうです。(以前、電話でお聞きしました。)

細い径は自分で作ったりもしましたが、ペーパーが外れ易く、軸のブレも幾らか有って、やはり既製品には敵いませんでしたので、思い切ってまとめて(19㍉径と25㍉径を)購入しました。巻かれてあるクッション材は、いずれ摩耗するでしょうが、これは自分で張り替えれば済む事です。既製品の最大の利点は、頑丈で、回転精度が宜しいところです。

自分でも自作しておいて、こんな事云うのも何ですが、自作に費やす時間と労力と費用を考えれば、既製品を買った方が早くて効率的です。もっとも、自作するのは楽しいですから、それはそれで良いとは思います。

径が19㍉とか、25㍉とか云ったサイズは、精密模型工作では大きすぎ、造作や家具木工では小さすぎて、ほとんど出番が無いと思われますが、私の工作では、このサイズが生命線です。それで、このサイズで最も研磨効率の良い組み合わせを探してみる事に、しました。4つのSSDに、それぞれ違った研磨材を巻き付けてあります。それと、ほぼ同径のスリーブ式ドラムサンダーを併せて比較します。研磨材の粒度は、皆120番です。

今日の作業はペーパー巻き付けまでで、おしまい。あと、新作の型作りをしました。作品作りと同時進行で、研磨実験を行っていきます。
新作の型。新作といっても、前作「エビセン」の応用編。しっかり転がせるエビセンを、作ります。

2009年5月30日土曜日

ポニョみたい

切り抜いて、面取りしたパーツを仮組みした状態。「◯◯船」って名前が付く予定。今はまだ伏字のままで、ご勘弁。以前、大五木材の高橋さんに、「目玉シップ」をお見せした所、ポニョに出てくる船みたい、と云われて、なるほどそうかもしれない、と思いましたが、作ったのはポニョよりずっと前なのです。が、宮崎駿さんには、子供の頃から相当影響受けてますから、私の「自分らしさ」は、「宮崎アニメみたい」とほぼ、同義語になってしまっています。

それは宜しくなかろうと、「脱、宮崎駿」宣言なんて事を、周囲の友人に触れ回ったりもしましたが、私にとっては、禁煙以上に難しいことでした。なので、最近は開き直ってます。今回の船も、「ポニョみたい」かもしれません。
「◯◯船」2隻ぶんの、タイヤ。写真は仕上げ研磨前の状態。
切り出して、仕上げ研磨終えるまで、約70分かかりました。何かと競争してる訳では無いので、早いか遅いかはさておき、意外と時間のかかるものです。
8個あるので、1個約9分。墨付け、穴開け、切り出しまでが、20分くらい。荒研磨と中研磨までが20分、仕上げ研磨が30分、の配分です。

時間の根拠はないけれど、取り敢えずそれぞれ10分ずつ短縮して、1個約5分、全体で40分ほどで仕上げられるように、なりたい。
これは、ボール盤用アクティブ・ブレーキシステム。つまり、丸棒をボール盤のチャックに押し当てて、強制的に回転を止める為の、その丸棒です。ボール盤の電源切っても、回転が止まるのに時間がかかりますから、チャックのギザギザの所に丸棒押し当てて、止めてます。ホームセンターで買った丸棒には、値札シールが貼ってありますが、その部分は粘着材がこびり付いていて、あまり作品に使いたく有りません。なので、そんな部分を、このブレーキに使ってます。

2009年5月29日金曜日

25×120=4500回転

新しい作品の型です。さて、一体これは何でしょうか?クラゲ?直径5センチのタイヤが付きます。出来てからのお楽しみ。
厚み出し(20㍉)した材(樺・カバ)に、型を置いてシャーペンで墨付けをした後、バンドソウでカットします。この材1枚分で8つのパーツ切り出しに、約10分かかります。仕上げはサンダーで行うので、精密なカットはしませんが、それでもそれくらいかかる。粘りのある広葉樹では、ノコ刃が中々前に進んでくれません。ここは、馬力のある機械が欲しいところ。
デザインする際に、25㍉系のドラムで、研磨作業が全部済ませられるように、留意したアールをつけて、デザインしました。ので、ドラムの付け替えの手間が減って、早く出来た。
25㍉より小さいドラムは、研磨の効率が悪いので、工作する自分にとっては、極力使用を避けたい所です。

早く出来た、とは云え、木口面の研磨では、どうしても焼けてしまう。焼けが付くとサンディングドラムも傷むし、材も痛んで、仕上げの手間も増える。・・・仕方がないのかなぁ。今度、ドラムの種類とペーパーを変えて、違った研磨を試してみたい。

番手は、120〜240〜320と、3種類を順に使っていくので、結局この作業で時間を喰ってしまう。120から、いきなり320まで持って行ける研磨条件があれば、かなり楽になるな。

2009年5月21日木曜日

作業準備ヨシ!

これは、私の使っているバンドソウの、電源スイッチの自作カバーです。下写真のテンションレバーに鎖で連動していて、レバーを上げるとカバーも上にあがり、スイッチを隠します。

テンションレバーが上がった状態、つまり、帯ノコ刃が緩んだ状態で電源を入れてしまうと、ホイルからノコ刃が外れたり、暴れたりで、刃にも機械にも、人にも優しくありません。
何度かそれを、やってしまったので、何とかならん物かと考えて、作ってみました。
この鎖は、浴槽の排水栓に付いているヤツです。レバーに穴をあけて、リングで繋いであります。レバーを上げると、鎖で白いカバーが上に引き上げられて、スイッチを隠しますので、未使用時の誤作動防止にも役立ちます。また、テンションレバーの状態が、一目で分かりますので、一石三鳥くらいです。我ながら、いいアイディアだなぁと、思いました。

工房で作業する時、このレバーの上げ下ろしする瞬間は、何となく気が引き締まります。それは、銃器の槓桿(こうかん)や、特殊車輌の作業レバーにも似て、男の子の心をくすぐる操作です。

工房長〜「一番、帯ノコ機、刃幅8㍉木工刃、高さ80㍉、挽き割り3本、作業準備!」
操作手〜「(復命復唱)作業準備ヨシ!」
工房長〜「テンションレバー下げ、安全確認!」
操作手〜「テンションレバー下げヨシ、安全確認ヨシ、一番準備ヨシ!」
工房長〜「電源入れ!挽き方始め!!」
操作手〜「(復命復唱)」〜「挽き割り3本、挽きオワァリ!」
工房長〜「電源切れ、テンションレバー上げ!」
      「操作手は加工材を持って、作業待機線まで前進!」

・・・なんて、口には出さないけれど、そんな気分で作業してたりして。

テンションレバーはそもそも、未使用時にかかるノコ刃の張力を緩和して、ノコ刃の寿命を長く保つ為の物(追記:ノコ刃交換の迅速化の為でしたでしょうか)、と認識していますが、その効果の程は良く解りません。ただ、付いてた方が、やっぱり楽しいなぁってのが、実感です。

2009年5月16日土曜日

卓上型ディスクサンダーは楽しい。

「鉄腕ボク」の型を製作中。今日この段階なので、締め切りの日曜には間に合わないか。
写真のディスクサンダーは、レクソン社製の安価な機械ですが、もう10年近く使ってるでしょうか。本来は、ベルトサンダーと一体なのですが、2つを同時稼働すると、馬力が極端に落ちるので、ベルト駆動の本体部分を、切り取ってしまいました。ので、大変コンパクト、かつ250Wの馬力も充分です。

最近は、こういったアマチュア向け、卓上タイプの機械出力が軒並み、100W代に落とされてしまってます。価格を据え置きするための、苦肉の策かもしれません。外観はほぼ同じですが、作業効率は、違ってくるかもしれませんね。

玩具作りには、このくらいのサイズが重宝します。サンドペーパーは、今はベルクロ式が流行りですが、正確な研磨を望むなら、糊付け式の方が宜しいです。研磨機械と云っても、基本的には研削、つまり形を削り出す用途に向いた機械ですから、番手は、針葉樹、広葉樹共に120番前後が実用的です。高番手になると、真っ黒に焼き付き易くなり、仕上げどころでは、なくなります。

回転する円盤の、内と外では当然回転速度が違ってきます。外に向かう程、回転速度は早くなりますから、研磨効率も上がる理屈ですが、早けりゃ善いって訳でもなくて、墨線ギリギリの精密な研磨をしたい時は、遅いほうが都合が良い。

なので、荒削りする時は、円盤の中間から外側よりを、精密研磨するなら、中心寄りにと、その場で研磨速度の選択が瞬時に可能なのが、ディスク式の良い所です。

ディスクの外縁あたりは、意外と使えません。回転速度が早すぎて、焼き付きがひどいです。(薄い材なら、その限りではありません。)写真で白い帯状の筋の付いているあたりが、一番使い易いポイントです。

小さい材を研磨しますので、スポットライトを当てて、研磨してます。こんな配慮が、意外と、作業効率を上げてくれますし、何より目が楽です。

この機械で、垂直な研磨結果を得るには、ちょっとした工夫、慣れが必要かもしれません。
材に厚みがあるほど、上と下での研磨状況が違ってきて、扁平になりやすい。裏返して、さっと仕上げ研磨するとか、材にスライドつけて、研磨してやるとか、いろいろ小細工をします。

材が弾かれたりする事も無いので、比較的安全で、使い易い機種ではあります。

2009年4月25日土曜日

ボール盤で水研ぎ

仕上げ研磨として、水研ぎをするのに、今までは洗面所で手磨きしてました。これが、時間と労力をかなり使うので、疲れます。

これを何とか機械化してやろうと、軸付きドラムに、スポンジやゴム板、ウレタンクッションなどを貼り付けて、水研ぎ研磨布を巻き付けて、研磨してます。動力は横置きしたボール盤。作業効率を上げるため、チャックにもう一つ、キーレスチャックを噛ませてます。

作業者の手前には、透明アクリル板を張って、材や研磨粉が跳ね飛んできた場合に備えてます。初め頃は、良く材が飛んできましたが、要領を掴んでくるうちに、回数も減ってきます。

とは云え、まだまだドラムの調子や、研磨手順などが掴みきれてはないのですが、それでも数こなすうちに、自分なりの手順が見えてきます。

研磨布の番手は、400番から始め、水にたっぷり浸した材を、軽く拭いてから、研磨します。研ぎ粉は常に湿って、或はドロドロした状態です。

次いで600番手の研磨布で仕上げますが、このときの材は半乾きくらいで、表面が乾いてるくらいですが、それをそっと撫でるように、研磨してやります。

ここで、強く研磨してしまうと、水研ぎされてない表面が出てしまいますので、次の塗装段階で、毛羽が多く出てしまいますね。

更に800〜1000番手のスポンジサンダなどで、手磨きで水研ぎしてやると、完璧ですが、塗装する事、塗装後にまた仕上げ研磨する事、などを考えれば、600番手で止めておくのが実用的です。

私の場合は、大量生産可能なデザインと、技法の発見が研究目的ですので、それに準じた方法を選びます。

写真は、2回目の研磨が終わった部材。かなりツルツルしてますが、塗装すると多少は毛羽が出てきます。

どういったクッション材のドラムが良いか、研磨布の番手選びと、研磨の手順など、これから何度も作業しながら、最適な技法を見つけていきたいです。