2011年10月30日日曜日

ボール盤穴開け加工の参考

 写真のビットは直径8ミリのドリル。金属の軸で8ミリもあれば、そう簡単に曲がったりするようには、思えませんが・・・
ちょいと、指で押してやれば、ご覧の様に片側に約1ミリほど、先端がブレます。両方で約2ミリほど軸先がブレる可能性を考えて、加工しないといけない訳です。

ライフルの弾なら、右回転しながら飛んで行きますから、銃口は右上にハネ上がり、弾丸の軌道もやや右寄りの癖を持って、進みます。つまり、弾丸は一直線に真っすぐには飛ばせない。

これの理屈が、右回転するドリルビットにも、当てはまるのかどうか、解りませんが、材の状態の影響を受け易いのは確かで、真っすぐ押し込んでも、垂直に穴開け出来る物ではありません。

その前提を頭に入れておきながら、加工法を考えないと、真っすぐな穴開けは更に難しい。
 私の今の、貫通穴開けの手順の一例。先ずは一方からドリルを送り、センターが突き抜ける所で止まる様に、ストッパーをかけておく。
 材の反対側。ドリルのセンターガイドが開けたこの穴を、ポイントにして、刃先を誘導する。試しに、開いた穴と、材との垂直な線を引いてみる。
ドリルのセンターに合わせて、材を固定。この時、 バイスの口板に引いた、センターのラインと、材のラインがほんの少し、ズレているのは、最初に送ったドリルの軌道が、これだけズレてしまった、という事。
 ポイントで合わせて、ドリルを送ると、奇麗な加工面でまっすぐ穴があく。
ただ、スピード重視で、単純に材をひっくり返して、線で合わせただけでは、色んな誤差が複合して、この様にズレからくる段差が生じる。

実用上問題無ければ、加工面の美しさを優先して、このまま使用する。このような段差、ズレが許されない加工の場合は、なるべく手間かけて、ポイントをしっかり合わせて加工する。

捨て板を沢山用意して、一回通しで加工した方が、早いかもしれないけれど、穴の縁がむしり取られて、汚くなる可能性も大きく、その時点で商品として不適格になれば、そちらのほうが損失が大きい。

どういった手法が最良か、まだはっきりとした事は云えないけれど、穴開け一つとっても、奥が深いものです。

4 件のコメント:

木工大好きなDr.ホッピー さんのコメント...

こんばんは。

毎日 熱心ですね。

こちらは 新型 車輌の設計中ですので工房はお休み中です。

穴はまっすぐに開かない というのが僕の考えというか、諦めです・・・。とくに旋盤をやっていると、まっすぐにはあかない・・・。必ず奥の方でブレが生じて、まっすぐなパイプは出来ないですね。もっとガッチリした旋盤を買えば違うのでしょうが。

たくどう さんのコメント...

捨て板をただ重ねるだけでなく両面テープで貼り合わせて通し穴を開けるとむしれが少なくなります。両面テープを剥がすのが大変面倒ですが。例えば組み立てた後で穴あけしたい場合には木の小片を捨て板として貼り合わせてクランプして開けるとうまくいきます。ご参考になれば幸いです。

ヤマドリ さんのコメント...

Dr.ホッピー様、こんばんは。
毎日熱心です・・・他に、する事ないし(笑)。
旋盤の場合は、材が回転してるので、
真っすぐドリルが進まない理由が、見た目に解り易いですね。
どうしても、切削抵抗が材の一方に偏ってしまう。
パイプ作るなら、穴を先に開けておいてから、
それに沿って真っすぐな円柱を作るのが、賢いのでしょう。

車の改造?も、楽しそうですね。
おねしょシートはしかし、家庭内秘密にしなくて、良かったのかな(笑)?
色々と、楽しませてもらっています。

ヤマドリ さんのコメント...

たくどう様、こんばんは。
いつもアイディアをいただき、有難う御座います。
もう、ウチの主任研究員に、なって頂きます。

大量生産する場合、捨て板自体を、大量消費する事になって、なんとなく不経済な気もしました。
捨て板なんて、名前は粗末ですが、バリを出さない為には、ちゃんと平面の出ている板でないと、使えませんから、
捨て板もあなどれませんね。
捨てられない捨て板。
両面テープで固定するなら、あまり気にしなくて良いのかもしれませんね。
剥がすのが、面倒かな。
剥がせる両面テープも、意外と剥がしにくかったです。
腱鞘炎の腕なので、もう少し優しい方法が無いでしょうか?(甘えてます)。